ヒッチハイクの夜~粘膜3点責め~
失恋で自暴自棄になった美緒は、ヒッチハイクで一晩の相手を探していた。そこでイケメン紳士・拓真に出会う。好みの男の車に乗り込むことができ、運に感謝する美緒。さっそく妖艶に彼を誘うが、彼の性癖は美緒の想像を超えるもので…。
「もうあんな真似をしてはいけないよ」
ハンドルに手をかけたまま拓真が言った。
「はーい。ヒッチハイクなんてもうしません」
私は少し口を尖らせて、薄っぺらい返事をした。
「僕だったからよかったけど、悪い人の車だったら今ごろ…」
「今ごろ、犯されちゃってる?」
冗談っぽくそう言うと、拓真は横目で私を睨んだ。
切長の瞳に鋭い視線。
年の頃は40歳手前といったところだろうか。
シャープな顔立ちにカラスのように艶やかな黒髪がよく似合っている。
毛先が車窓から入り込んだ潮風で揺れ、撫でるようにそれを整える節張った指がエロティックだった。
「だとしたら、どんなふうに犯されちゃうのかしら?」
私は小さく吐息を漏らし、誘うように上目使いで彼を見た。
「車の中で?それともホテルに連れ込まれて?」
「キミねぇ…」
呆れた、とでも言うように拓真が眉を下げた。
「美緒って呼んで」
「…美緒、ひょっとして悪い人の車に乗りたかったのかな?」
車が交差点に差し掛かかり、ゆっくりと停車した。
「どうかしら。でも、あなたが悪い人ならいいにのにって思うわ」
私は運転席の方へ体を傾けた。
この男の車を引き当てた私は、一生分の運を使い切ったのかもしれない。
ダークカラーの高級車の窓から彼が顔を出した時、体に電気が走った。
街中で見かけたら思わず振り返ってしまいそうなイイ男。
色気を含んだ大人の清潔感がある。
物腰こそ柔和だが、欲深そうな鋭く雄々しい目をしていた。
この人なら元彼のことを忘れさせてくれるかもしれない…。
「ねぇ、今夜だけ悪い人にならない?」
高級そうなズボンの膝に手を置くと、拓真はピクリと眉を動かした。
「随分と大胆なんだね」
私は拓真の太ももに手を滑らせた。
「正直に言うわ。私、失恋したばかりでムシャクシャしてるの」
「自暴自棄ってやつか」
「そう。嫌なことを忘れるにはセックスが一番でしょ?」
太ももの内側を指先でなぞる。
「…っ」
拓真が小さく吐息を漏らした。
私は彼の顔を覗き込むと、わざとらしく胸を寄せた。
「だからお願い。悪い人になって、私のことめちゃくちゃに犯して…」
「キミには…いや、美緒にはそういう趣味があるのかい?」
「趣味じゃないけど興味ならあるわ」
「へぇ…そうか」
一瞬、拓真がニヤッと笑ったように見えた。
信号が青に変わりフロントガラスが青に染まる。
車がゆっくりと動き出し、彼はそれ以上言葉を発しなかった。
海岸沿いを少し走り、やがて薄暗い脇道に入った。
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