桜の木の下で声を抑えてイっちゃいました。
美来(みく)は彼氏の拓海と念願のお花見デートができ喜んでいた。二人がお花見を満喫していると、予想外の展開が!同じようにお花見デートのカップルかと思いきや突然エッチなことが始まった。目のやり場に困っていた美来と拓海。気がつくと興奮しきった拓海に誘われ、言われるがままエッチしてしまう。
「まだちょっと寒いな」
「うん、でも一緒に来たかったから!」
美来は恋人とお弁当を持って花見というのに憧れていた。
多少寒くても夢が叶った嬉しさの方が勝っている。
「コレも作ったの?すごいうまいよ」
「うん、口に合ってよかった」
拓海の食べた唐揚げは色んなレシピサイトを見まくって、何度も練習した。
「寒いけどビールに合う」
たくさん食べてくれて嬉しい。
ニコニコしながら拓海を見てしまう。
「俺ばっか見てないで桜、見たら?」
見つめていたのに気づかれていた。
一瞬照れたけど、
「拓海がイケメンだから」
と笑って返した。
そんな風にしばらく食事を楽しんでいると、いつの間にかカップルが近くのベンチに座っていた。
私たちはベンチから少し離れた桜の木の下にシートを広げていた。
木の陰になっていたのか、向こうはこちらに気づいていない様子。
かすかに話し声が聞こえた。
『ね、本当にするの?』
『せっかく誰もいないんだからいいだろ』
『えー寒いよ。もし誰か来たらどうするの?』
『寒いからどうせ誰も来ないよ』
大きな公園なので通りから見えることもなく、まだ寒いこの時期の夜は滅多に人も通らない。
『ほら、もっと近づけ』
カップルの男性は女性をグッと近づけて、キスをした。
外だというのに随分濃厚なキスをしている。
「美来、そっちから見えるの?」
小声で拓海が聞いてきた。
「見えないよ」
慌てて答えたが、
「ずっと見てるから覗いてるのかと思った」
ニヤニヤと拓海が見てくる。
『ん、んあぁ』
女性の声が甘くなってきた。
カップルの男性はいつの間にか女性の胸に顔を埋めていた。
どうやら盛り上がっている様子。
とても気まずいがこのまま続けられても困る。
「どうする?止める?」
小声で拓海に聞いてみると、
「いや、無理でしょ」
「帰る?」
「それも気まずいな」
私たちは何となく気まずさから沈黙してしまった。
『やべ、すごい吸い付き。すぐ出そう』
誰もいない公園、男性の声が響いた。
人のエッチなシーンに出くわすなど初めてでどうしていいかわからない。
握ったレモンサワーをじっと見つめていると、拓海が隣に座り顔を近づけてきた。
「なんか、俺もしたくなっちゃった」
「!!!」
驚いて大きな声を出しそうになった瞬間、拓海にキスで口を塞がれた。
へへへ、といたずらっ子のように笑いながら身体を引き寄せられる。
良かった
読んでいて
手に取る様に
絵が想像することができ
良い作品でした
クリ子 さん 2022年4月15日