先輩が教えてくれること
明日から正社員になる香織。厳しい中尾先輩が教えてくれるのももう少しで終わり。香織が資料室で仕事をしていると、「彼氏いる?」と聞きに来た中尾先輩にキスをされる。終業後、ホテルのレストランのテーブルの下で中尾先輩の足先が香織の秘部を愛撫する…。
研修期間、厳しかった中尾先輩が教えてくれるのも明日で終わり。
でも、中尾先輩と部署離れるの、淋しいな…。
「厳しかったけど、明日から中尾先輩と一緒に仕事出来ないんだ…。関係ない部署だから会うこともないし、淋しいなぁ…」
明日から正社員になる香織は、複雑な気持ちで資料室で仕事をしていた。
「和田さん」
「はい」
厳しい表情の中尾が、真新しい分厚いファイルを持って香織に近付く。
「彼氏いる?」
「え?」
驚いた香織に、中尾は資料の棚にもたれて、俯き小さく微笑んだ。
「先輩、笑うんですね…あ、すいません!!!」
「和田さんって、無神経なこというんだね」
「本当にすいませんでした!!!」
「和田さん?俺の質問、ちゃんと理解してる?」
小さく溜め息をついた中尾は香織を見た。
「今は、いないですけど…先輩…あの…顔…見ないで…下さい」
「ごめん、聞き取れない」
中尾はそういいながら、香織の肩に優しく手を置いて顔を近付けた。
「そんな…優しい顔で…見ないで下さい…」
仕事に厳しい姿しか知らない香織は、目を細めて少年のような表情で笑う中尾に動揺していた。
「何で?」
「何でって…いつも厳し…」
香織の言葉を中尾が遮った。
「あんな優しく教えてたの、和田さんが初めてなんだけど。他の人から聞いていないの?」
中尾は、香織の肩に置いていた手を離し、うなじを優しく掴んで顔を近付けた。
「和田さんって、いつもいい匂いするよね」
香織の首筋に中尾の甘い息が触れる。
「ぁあ…」
「真面目な顔して、そんな声出しちゃって…しかも会社で…」
中尾は顔を上げ、掠めるようにキスをして微笑み、また軽くキスをした。
コンコン。ガチャガチャ。
外から資料室のドアをノックする音とドアノブを回す音がふたりの耳に入り、香織の身体がこわばっているのを中尾が抱き締めた。
「大丈夫。俺、入って来るとき鍵掛けたから」
「?」
「他のこともしちゃおうと思って」
頬が紅潮している香織の髪を、中尾は指でサラサラと触りながら耳元で囁いた。
「キスしなきゃ俺の気持ち分からないって…和田さんって鈍感だよね」
香織は、中尾の上半身を突き放し驚いた。
線の細い身体と思っていたが、胸板は想像以上に筋肉質だった。
「私の気持ち知らなかった先輩も、相当鈍感だと思います」
真っ赤な顔をしてムッとした表情でいった。
中尾はクスっと小さく笑い、
「知らなかったと思ってたの?」
そういって、香織の首筋に唇を這わせた。
「あぁっぁ…」
甘い息を漏らす香織の襟足を握っていた手に力を入れ、顔を引き寄せてキスをした。
新色の口紅のリップラインを淫らに乱すほど、濃厚に。
「そんな潤んだ目で俺のこと見てたら、分かるでしょ?」
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