親友の彼女であるあたしを愛しそうに抱くあなた (Page 3)

彼はゆっくりとあたしの中から自身を抜いていき、ササッとゴムを外したり手を拭いたりしていた。

あたしはそんな彼の行動をぼーっとみながら、まだ頭がフワフワとしていた。

「わりぃ、ちょっと激しくしちまった」

「はぁ、はぁ、ううん、大丈夫だよ」

息の上がるあたしに、彼はクスッと笑って、ちゅっ、と優しいキスをしてくれる。

「…可愛過ぎ」

「またからかう~」

「からかってねーよ、まじ。可愛いな~ってまじで思ってる」

「あ、ありがと」

「あーあ、なんであいつの彼女なんだろうな…。あいつじゃなかったら、無理矢理でも奪って俺のモノだけにしちまうのにさ…」

あたしの顔を見ながら、切なそうにいう彼に、あたしはなにも返事ができなかった。

「あ、あの…」

ごめん、といおうとすると、それを察したらしい彼に、指で止められた。

「俺が悪い、あいつと別れられねーの知ってるのに誘惑したのは俺だしな。こうなっちまったのは全部、俺のせい」

そんなことない、といおうとしているのに、彼は指を離してくれない。

「全部、俺のせいにしていいから…」

そういうと、彼はあたしをぎゅっと抱き締めた。

彼のあたたかい温もり、優しさを、きっとあたしは手放せない。
そんな卑怯なあたしを、自分のせいだからと許してくれる彼。

もしかしたらこの関係はいつか最悪の形で終わりを迎えるのかも知れない。
だけど、今はこの温もりに包まれていたい。
終わりがくる、その日まで…。

あたしは、彼の背中に手を回して、無くさないように、と願いを込めて、ぎゅっと抱き締めた。

Fin.

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