甘噛みを受けながら大きなあなたを受け入れる (Page 8)
「永田が…優しいから…痛みより、気持ち…いいの…だから…」
荒い息を整え、和歌子は伝える。
「もっと、永田がほし…」
ほしい、とハッキリと伝える前に、ズン、と永田は己を更にゆっくりと沈めてきた。和歌子の言葉はもう声にならない。獣の叫びのごとく。
「いぃ…はぁぁ…ああ…っ!アーッ、ハッ…アッ…アッ…あ」
抜かれてしまう、と和歌子は感じたが、永田は軽く後退し、さらに深く容赦なく突き刺してくる。
幾度となく繰り返され、和歌子は宙に浮かぶ気がしてくるほどだ。
和歌子は臀部を永田に突き出し、委ねる。永田は左手で和歌子の腰を支え、右手は和歌子の胸を揉みしだき、パンパンと己を打ち付ける。
激しい動きに、和歌子の背中は剥き出しになり、コートは冷たい床にはらりと落ちる。
*****
和歌子が人間に戻ったのは、獣のように唸りながら、永田の精を受け入れ、コートの上に横たわってから暫く時間が経過してからだった。
丁寧に、まだ息の整わぬ、和歌子の脚の間を舐め、腹を通り、胸を舐め、唇に到達する。
永田の動き一つ一つに、まだビクッと敏感に反応してしまう。
「可愛い…藤沢…こんなに可愛いんだな…」
寒さを気にしてか、永田が和歌子の身体をコートで包む。
「熱いの…まだ…」
和歌子の言葉に頷く永田の額には、うっすらと汗が滲んでいる。
「…もっと次は丁寧に…したい…です…」
永田の身体が和歌子を覆う。
「ううん、大事にしてくれて…ありがと」
和歌子はキスをせがみながら、永田の囁きを聞く。
「…声、我慢しないでいいところで、プレゼンの打ち上げ、しよ?」
和歌子は、永田の左胸を小さなグーで軽く叩きながら、甘くキスを受け入れる。
Fin.
素敵でした。
肝心なシーンのみならず、2人の会話からぎこちない関係や互いを大事に想う気持ちが伝わってきて良かったです。
ななし さん 2021年5月4日