甘噛みを受けながら大きなあなたを受け入れる (Page 7)
永田の部屋の鍵を内側から閉ざして。永田は振り向きざま、玄関に立つ和歌子に荒々しくキスをする。舌を絡めて、息が苦しくなるほど。
玄関の脇の白い壁に、和歌子の背は押し当てられている。永田は性急に和歌子の両腕を高く掲げ、細い手首を左手で押さえる。
永田の興奮は、痛いほど和歌子に伝わってくる。
「靴…脱がせて…」
無言で頷き、玄関に和歌子を立たせる永田。玄関脇の靴箱の隣の戸棚から、小箱を取り出す。
「クソだっせぇ…俺…」
普段はみせない顔。ゆとりのない永田の様子に和歌子の母性がくすぐられ、たまらなく愛おしくなる。
和歌子はぎゅっと、永田の大きな身体を抱きしめる。
「かっこよくて、優しいよ…永田は。好き…」
唇と唇が軽く触れ合うだけのキスを一回。和歌子から求め、貪ってゆく。
二回目は深いキスを、と思っていた和歌子の首を、男の手が支え、男の熱い息が和歌子の口内に満ちる。
「だいすき…」
こもる音。でも伝わっている、と和歌子は永田の背中に腕をまわす。和歌子の胸が、永田の厚い胸板に押しつぶされる。
裸体に薄手の男性物のコートを羽織っただけの破廉恥な女体。コートの持ち主である、男の腕に包まれる。
背徳感いっぱいで二人で少し時間をずらし、永田が先に待機し、和歌子を男の部屋に迎え入れた。
自分の熱か、相手の熱か。わからぬまま、見つめ合い、溶け合う。
「脱がせるよ?」
大胆な身だしなみとは裏腹な様子で、恥ずかしそうに和歌子は小さく頷く。
永田はコートの前を開き、和歌子の乳房がぷるん、と玄関の間接照明の下で白く光る。
たまらず、永田は乳首に吸い付きながら、己の男性器をファスナーを開いてさらし、和歌子を守るものを被せてゆく。
永田は男性器を和歌子の花びらに押し当て、ゆっくりとスライドさせる。
それは、猛々しい自分自身が、和歌子を傷つけぬか不安を抱える永田の、素直な動きなのだが。
和歌子からしたら、ただの焦らしでしかなかった。快感と予感に耐えきれず、和歌子は膝と両手を床につく。
和歌子の姿勢が四つ足の獣さながらになる。
永田は男の匂いを含んだコートを背に、床に乳房をこすりつけている女の臀部に、己の男性自身を押し当てる。
「あっ…ぁあーん」
和歌子のぷるぷると揺れる双丘を鷲掴みにし、蕾を人差し指と親指で摘みながら、永田は男性自身を和歌子に深く沈めていく。
獣同士の行為のように、和歌子の右肩に永田は歯を立てる。獣のそれとは違う、甘い刺激に和歌子は酔いながら、深く永田を受け入れる。
「痛い?」
「…少し」
誠実な男に嘘をつきたくない。和歌子は、正直に答える。
永田は、和歌子の胸に刺激を与える手を止めてしまう。慌てて和歌子はさらに正直に言葉を継ぐ。
素敵でした。
肝心なシーンのみならず、2人の会話からぎこちない関係や互いを大事に想う気持ちが伝わってきて良かったです。
ななし さん 2021年5月4日