離れられない関係、溺れる背徳感

・作

パート先の上司ナオヤとの秘密の恋愛にのめり込んでしまう主婦のユキ。女性として求められること、愛情を受けること、旦那にはないドキドキ感にのめり込んでしまった。このままではいけないと思っているのに、辞められない秘密の逢瀬。心も体も満たされるそんなひととき。

「ユキさんごめん、ちょっと遅くなっちゃった」

クラクションの音とともに車の窓が開いた。
パート先の上司、ナオヤが顔を出す。

「うぅん、大丈夫。私も今ここに来た所だし」

軽く話をして、私は彼の車に乗り込みもう数えきれないくらい通ったホテルへの道を進む。

彼は独身だけど、私には家庭がある。
上司とパート従業員でそんな関係になるとは思わなかった。

*****

「ねぇ、我慢できないからこっち向いて?」

ホテルの部屋に向かうエレベーターの中でナオヤはキスをせがむ。

「まだ、部屋じゃないよ…ん、早いって…んん」

ナオヤは顎を押さえ強引にキスをし、舌を入れる。

「ねぇ、気持ちいい?…絡めてよ」

彼の手が胸をさわり始めた。
優しく撫でるように、乳首辺りをさする。

「ん…」

私が舌を少しずつ出したところで、エレベーターが部屋の階層に着く音がした。

「あぁあ、着いちゃったからお預け~」

少し残念に感じながら私が体を離すと、ナオヤが手をぎゅっと握り部屋の方向へと歩き出す。

「こっちだよ」

エスコートとは程遠い歩き方で、彼も我慢の限界が近い事が分かった。

「…ちょっと、歩くの早…」

そう言いかけたときに部屋に着いた。
ドアを開けようと、彼がカギを差し込んだ時に隣の部屋のドアが開いた。

男女の声がだんだん大きくなる。
(あ、帰っていく…会ってしまう)

二人の関係上顔を見られまいと、開いたドアとは反対方向に顔を背けようとした。
が、その瞬間にナオヤが握った手を離しそのまま背中から私を引き寄せた。

背中には部屋のドア、私の前にナオヤ。
彼の顔が近づいてくるので、ギュッと目を閉じた。

キスの合間に聞こえる彼の声。
「声は…我慢して…」

彼の舌が私の口の中をかき回したかと思えば、すぐに口を離し向きを変えてまたキスをする。

隣の部屋のカップルが近づいてきたとき、私の後ろからガチャっと音が聞こえる。
ドアを開けるが、少しだけ。私の背中に当たる程度。
中に入らないまま、キスは続き私のアソコが濡れてきているのが分かった。

帰るカップルが気付き、小さく「あっ!」と声がするが止まらない。
こそこそ話しながらカップルがエレベーターの方向へ行ったのか、声がだんだんと聞こえなくなる。

その途端にナオヤはキスをやめ、部屋のドアを大きく開き私を押し込んだ。

「ちょっと!人前でキスはビックリしたじゃない」

少しよろめきながら部屋に入り、ドアが閉まると同時に彼に対し少しだけ声を荒げた。
ただ、その口はまたすぐに塞がれた。

今度は初めから激しく…口の中を舐めとる様にキスをしてくる。

「ぅん…急に…」
モゴモゴと声を出そうとすると、口を少し離した。

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