薬指のリング。貴方にとって私は…
彼の左手を見るたびに私は思いに蓋をする。だから別れを決めたのに…別れを切り出した朝、私はベットに逆戻り!!お互いに勘違い、誤解をしていたことに気づいて、彼が私に対する思いを知る。嬉しさに受け入れたはいいが…
チュン、チュン、チュン…。
朝が来た。
後ろから包み込むように伝わる体温、腰には彼の腕が絡まっている。
左薬指にはシルバーのシンプルなリング。
それを眺め、ふぅっと彼を起こさないように小さくため息を吐く。
今日こそは…。
そう思いながらズルズルと関係を持ってしまった。
「起きてるのか?」
「ごめん、起こしちゃった。まだ寝てて。朝ごはん用意するから…食べる?よね…」
「ああ、マキ料理は美味いからな」
絡めた腕をはずし、マキは部屋を出た。
*****
(なぜ?!ベットに逆戻り!!)
アキラの手により、まろやかな双丘は荒々しくその形を変える。
「ぁぁん…な、なんで…」
「マキが別れようなんて言い出すから」
朝食をとり終わり、別れを告げ、彼を本来の場所に送り出そうとした。
彼との出会いは2ヶ月前、マキが派遣された職場に上司として彼がいた。
派遣でも分け隔たりなく社員同様に扱ってくれるアキラにマキは好感を持つ。
しかし彼の左薬指には輝くリング。
即婚者…マキは淡い思いに蓋をして、気づかないふりをしていた。
しかし、1ヶ月前のマキの歓迎会でひょんなことにアキラと関係を持ってしまう。
ワンナイトとマキは割りきろうとしたが、それからもズルズルと関係が続いていた。
「だって…貴方には、ぉ、奥さんが…ぁぁ…ち、乳首…ひっ、ぱら…なぃ…でぇ…」
「はぁー、誰がそんなこと言った?」
「誰…も。…でも‥左指…」
「あ、これか…ま、ぁ…結婚はしてたが半年前に離婚した…」
いつの間にか痛みをともなう、胸の愛撫が止んでいる。
変わりに真綿に包まれるように、アキラがマキをキュッと抱きしめて、顔を肩に埋めた。
「え、でも…まだ外さないって未練があるんじゃ…」
「イヤ、ない。ま、別れた時は、あったかもしれないが…抜こうにもその時は今より、もう少しウエイトがあったから抜けなくて…後は面倒くさい女性からのモーション避け…で…」
アキラは仕事ができ、頼りがいもあるイケメンだ。
フリーだと言われれば肉食系の女性は食らいつくだろう。
レビューを書く