無条件幸福 (Page 7)
「…ぁ…きて…挿れて…欲しい…欲しいの…」
来てくれる、とわかっているのに。浅ましく、ねだってしまう。こんな私が私の中にいたなんて。
「いいの?挿れて」
さっきまで暴れていた舌が、静かに私の乳首を舐める。チロ…ちろ…かぷっ。唇で甘噛みされている。あ、陰部にも、このキス…された…。うっとりと頭がぼんやりしかけていると、脚の間に恭介さんの熱いモノがあたるのがわかる。
「…ンッ…くッ…」
「これ、挿れちゃうよ?…葵のここに…ヌルヌルしてる…」
「ぁあぁあ…んーっ、欲しいぃ…」
私の隣から柚香の吐息が漏れる。自身のブラウスの中に、スカートの中に手を差し込み、高揚した顔。そして、私の左耳に柚香の熱い吐息が届く。その間も、ぬるぬると恭介さんのモノが、私にあてがわれている。
「あっ…はっ…はぁ…ずっと…ずっと変…なの…」
「うん…うん…いいよ…可愛いよ…」
右耳に、普段よりさらに低い恭介さんの声が張り付く。双方から塞がれてしまう。甘い吐息に。
「葵…ッ…」
恭介さんと柚香の声が私を呼び、ずん、と恭介さんが入ってくる。
「あッ…あぁあ…熱い…ンっ…」
ゆったりとした腰の動きなのに、ざわざわとした私の身体がすべて、どこかへ拐われてしまいそう。ぎゅっと、恭介さんの左手が、私の右手に組まれる。握ったままの柚香の手にも力が加わる。何度も何度も打ち込まれる、幸せな磔。叫びそうになる唇が、恭介さんの唇に覆われてしまう。
「は…ぅう…ふぅ…」
快感の波に拐われてしまいそうな自分。あまりに頼りなくて。あまりに不確かで。でもここにいる。恭介さんを、柚香を今、感じている。どこにも行きたくないけれど。手離したくは、ないけれど。
「あぁあーん…はぁ…はっ…ん…」
大きなうねりが、波が、私を連れていく。白く光る、光る。
「やッ…ぁああ、あっ…あぁあ…」
でも、ここにいるから。いさせてください。
「ね…お願い…」
*****
「さっきの、葵のお願い、ってなんだったの?」
悪戯な笑みを浮かべて柚香が私を見つめる。
「え、んー、わかんない。忘れました…」
「めっちゃ可愛かったんだけど」
「もう…やめてー」
「柚、オカズにしてたろ、葵を」
「オカズなんてものじゃないです、ご飯です」
と柚香が恭介に笑顔をみせると、柚香のお腹がぐーっと鳴る。
「ちょっと早いけど朝ご飯にします?」
「えー、私シャワー浴びたいですー」
「好きに、やりたい放題だな、柚」
「人生一回ですから。葵、シャワー、来る?」
ふふっと笑う柚香に、私は真っ赤な顔で首を振る。
「ご飯、遠くなっちゃうもんね」
柚香のにんまり顔を見送ってから、恭介がミキサーを用意しながら、私に甘いキスをくれる。
Fin.
とてもえっちでよかったです
まつばやし さん 2021年3月10日