金で男を買う女 (Page 5)
「…ダメじゃない、です…」
「うんっ、わかりました」
再び、指の動きが早まっていく。
そして舌は、膣口の周りを丁寧にぐるりと舐め上げた後、ゆっくりとナカへ、少しずつ入ってきた。
熱く、それでいて優しく、内壁を刺激される。
久しく感じていなかった圧迫感、嫌ではなかった。
ヌルヌルとした物が出入りする感覚、悪くない。
むしろ…。
時々、抜き出してべろりと舐め上げていくが、それさえも焦れったく思うほど、私の中で何かが変わっていった。
蕾を弾かれ、ナカを犯されているとき。
また、強烈な快楽の波が襲ってきた。
もっ、イキたいっ…!
もはや暗黙の了解と化した、コウキさんの頭をギュッと押さえ付ける。
すると、舌を奥へ奥へと侵入させ、うごうごと動き回るではないか。
それが決定打となり、私は絶頂を迎えた。
されるがまま、何もしていないのに、とてつもない疲労感。
全身で息をし、呼吸を整えていると、
「れいなさん、まだ時間少しありますよ。どうしますか?」
少し、がどれくらいのことかわからないけど、
「抱きしめてほしい…!!」
涙と共に、自然と口からこぼれていた。
するとコウキさんは私の隣に横になり、腕を回してギュッと抱きしめてくれた。
さらに涙が溢れてくる。
私が求めていたのは、本当は人の温もりだったのかもしれない…そんなことを思いながら、逞しい腕の中で涙が止まらなかった。
少し落ち着いてきた頃…。
「コウキさんの下も、触らせてもらえないかな…」
「いいですけど、怖くないですか?」
「挿入するわけじゃないじゃない?その…、久しぶりの男の人のモノを、触ってみたくなったの…」
ふっ、と優しい笑顔を見せた後、
「うん、どうぞ」
密着していた体を離し、パンパンに膨れ上がった下半身が目に入る。
私は下着の上からほんの少しだけ触れてみた。
やはりソレは硬く、とても大きいのだろうと感じた。
やはり以前のような嫌悪感はなく、愛しささえ覚えたことに驚いた。
「ナカ、気持ちよくなれた?」
「ん…、まだわかんない…」
舌と指では全然違うし、ましてや男性器だなんて比べ物にならない。
わかったことは、コウキさんの気遣いとテクが最高だということ。
こんな最高の快楽を知ってしまったら、挿入ばかり求める男たちになど、戻れるはずもなく…。
私は来月も利用することを決めた。
もちろん、今度はコウキさん指名で。
電マも、お願いしちゃおうかな。
―――
夢の時間もあと少し。
新幹線の中で腕を組む私と、コウキ。
「貸切の部屋風呂…最高だったね!」
「それ、どーゆー意味!?」
「どーゆー意味でしょうねぇ。れいちゃん、また温泉行こうよ!」
「次のボーナスまで待ってー」
「うわっ、生々しー!」
「いや、こっちは切実だからね!?」
腕を組んで、まるで恋人のように触れ合う私たちの会話は、恋人のそれとはほど遠い。
あくまで、お客とサービス提供者。
ビジネスライクな関係。
その一線は超えてはいけない。
そう言い聞かせながら毎月会っては、熱く疼く体を癒してもらっている。
いつか終わらせなければとは思ってる。
でも、コウキが店を辞めるか、私の貯金が底を尽くかしない限り、この関係が続くんじゃないかとも思う。
Fin.
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