三人でいよう (Page 2)

「きゃ…!」

ドアの外には隼人が立っていた。隼人にぶつかり、奈々はその場に崩れ落ちた。隼人は目を見開き、驚いているようだった。さっきこの部屋で何があったのかを隼人に知られてしまったようで、奈々はごまかすように隼人に話し掛けた。

「ちょ、ちょっと、飲みすぎたみたい!ごめん、帰る!」

奈々が部屋を出ようとすると、隼人は奈々の腕を掴んで引き戻した。

「待って。これ、いらないの?」

隼人の手には黒色の下着があった。それは奈々が身に付けているはずのものだった。一気に自分の下半身がどうなっているのかを知り、顔から火が出そうだった。刹那に奈々は部屋の外にいた隼人が下着を握りしめていた理由を悟った。奈々は驚きすぎて何も反応できない。隼人は愛しい恋人を引き寄せるように奈々を抱きしめた。

「あーあ……いつもは薬でぐっすりなのに……起きちゃったんだね。……兄さん、ちゃんと分量通り飲ませたの?」

「あー、飲ませすぎると奈々ちゃんの反応が薄いだろ?ちょっとギリギリだったかも」

明るい口調で言葉を交わす二人を見て、奈々は息を飲んだ。二人の会話から今回が初めてではないことを知る。奈々は慌てて逃げようとするが、隼人のたくましい腕に掴まり、そのままベッドへと引きずられていく。

「や、やだ!隼人やめてよ、どうしてこんなことするの!?やだ!本当にやめてよ!」

隼人が奈々を組み敷いた。奈々は必死に隼人の胸を叩くが、隼人はその両手をいとも簡単に拘束し、頭上へ据え置いた。そして抵抗する奈々に激しく口付けた。奈々の抗議の声は掻き消された。荒々しい隼人のキスに奈々はめまいがした。武人は二人のキスをまじまじと見物すると、にんまりと微笑んだ。

「よかったな隼人、ようやく奈々ちゃんとのファーストキスだな」

隼人は武人のからかいが気に障ったのか、唇を離すと奈々を背後から拘束した。すると待っていたかのように武人がベッドに上がり、奈々の頬に手を添え、ねっとりとしたキスを落とす。舌で歯列をなぞり、奈々の唾液を掬うようにゆっくりと奈々の口内を堪能する。まったく違うタイプのキスに奈々は自然と目を閉じ、キスを受け入れた。奈々の様子を見た隼人は眉間にしわを寄せた。

「寝てても、起きてても兄さんのキスの方がいいだなんて……腹が立つな」

「そこは経験値かな?でも、本番はお前の方が悦びそうだ」

奈々は二人の会話に反応できないほどキスの余韻に浸っていた。奈々の体は熱を持ち、とめどなく流れ出た愛液でスカートを汚している。奈々はここまで濡れた経験はない。体が二人を求めているのを感じた。

奈々が呆然としていると、二人は奈々の頬や頭を優しく撫でた。その触れ方に優しさや愛を感じてしまい、苦しくなる。異常な状況なのに、穏やかな気持ちになる自分に困惑した。

隼人が奈々のスカートを脱がせ始めると、武人も奈々のシャツのボタンを外す。奈々はされるがままだ。隼人は奈々の秘所に手を伸ばし、指を一本、さらにもう一本挿入する。そこはもうひどくぬかるみ、熱く、もっと太くて長い、別の何かを求めているようだった。

隼人は服を脱ぎ捨て全裸になると、天に向かって反り立つ自身に避妊具を装着した。奈々の脚を抱えると、隼人は自身の先端を奈々の秘所にあてがい、円を描くようになぞった。隼人の熱を感じ、その刺激だけでもどかしくなる。奈々の瞳が欲情に染まっているのを見て、隼人は奈々の太腿を撫でながら話し掛けた。

「どうしてほしい?やめてほしい?……それとも、俺が、ほしい?」

いつも優しい隼人が見せた男の顔に、奈々は目を細めた。目の前にいるのはいつもの隼人じゃない。胸が高鳴った。そしてどうしようもなく欲していた。奈々は唇をかみしめると小さくうなずいた。

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