溶け合うのは、キャンバスの外で (Page 3)

「あぁ、先生っ…」

「いつも思うけれど、君は、本当にいやらしい体をしているよ」

いつの間にか外されたブラは床に落ち、先生の鼻先が乳房を押し上げた。ゆっくりと、焦らすように頂を避けて先生は舌を這わす。

より強い快感を求めて、体は欲しているように自然と揺れてしまう。これが、先生が言うようにいやらしい体なのだろうか。

「先生…お願いです。いつものように、してください」

「今日はおねだりをするのが、ずいぶんと早いね」

先生はくるりと体勢を逆転させる。わたしをソファに座らせ、先生は床に膝をついた。

頭からはシャンプーと、煙草と、油絵の有機溶剤の香りがして、それがわたしの欲望に拍車をかける。

膝を大きく開かせられると、恥ずかしい気持ちと、でも早くしてほしいと急ぐ気持ちが同時に込み上げて、自然と革のソファを持つ手に力が籠った。

「すごく、濡れているよ…君のここは」

「そんなこと、言わないでくださ…あぁ!」

先生はわたしの弱いところなど何度も探ってわかりきっている。いつも指を入れてザラついたところを撫でて、その薄い唇は花芽を優しく舐めるのだ。

「先生っ!イク…!もうダメです!」

先生は下から見上げるように、わたしの表情を捉えては、わたしの言葉を無視して動きを止めずにそのまま続ける。

自分の蜜部から溢れる液体と、先生の唾液とが混ざりあって、ぐちゃぐちゃと響く水音すら愛おしく感じた。

びくり、と収縮して跳ねた体はソファを軋ませ、力が入って閉じようとする脚は、より開かせようとする先生の手の力に抗っている。

頭の中で、先生の指の感触と舌の感触が鮮明になり、何度も快感の波が押し寄せては引いてを繰り返す。

「も、またイク…!あぁっああ!」

とうに果てているのに、先生は動きを止めずにわたしの弱いところをただひたすらに責めたてた。

いつも彼は、スイッチが入ると執拗にわたしを責め立てて、わたしの脚に力が入らなくなるくらいまで、ドロドロに溶かさないと気が済まないのだ。

「ほら、掴まって」

口元と指についたいやらしい液体を満足げに拭うと、先生は自身の首元に手をかけるように誘導する。

朦朧とする意識の中で、わたしの体はふわりと浮き、揺られ、よりあの官能的な有機溶剤の香りが強い部屋のベッドへと降ろされた。

「四つん這いになって」

脚もあまり力が入らないけれど、彼の言葉に導かれるように、わたしは四つん這いになり、臀部を突き出した。

先生は、優しく太ももからお尻にかけてを指でなぞりあげる。ビリビリとその部分から快感が伝わり、わたしはまた体を震わせた。

「君の、好きな絵を今日は飾ってあるんだ」

彼は体を屈ませ、耳元でゆっくりとそう言った。いやらしい言葉じゃないのに、先生が耳元で話す言葉はすべてが官能的に思える。

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