夏の始まりに汗だくえっち
彼氏が家に来たその日にエアコンが壊れ、汗だくになりながらも近くにいると少しずつ昂っていき…。彼氏の悪戯により開いた窓の近くで容赦なく奥を突かれてしまう。羞恥心と背徳感に苛まれながら始まる甘い夏。
蝉の鳴き声が容赦なく鳴り響く。
うざったいくらいの灼熱。
汗が背筋をなぞるように流れ落ちた。
「あっっっつい!」
汗の滲む額を無造作に拭きながら安月は恨み言を吐いた。
首を振っていた扇風機を無理矢理自身の方へ向け風を全身に浴びる。
髪が風に沿って靡き汗をゆったりと冷やした。
「安月ちゃん…風取らないで…」
床に転がっていた彼氏こと木島が唸る声をあげた。
「取ってない、借りてるだけ」
「借りないでよぉ…」
木島がごろんと寝返りをすると安月に腕を伸ばす。
ペしりと払いのければガーンと音がなりそうなほど驚いた顔をした。
「なんで!?」
「熱い。鬱陶しい。熱い」
「いいじゃんちょっとくらいぃ!」
「あ!ちょっ!こら!」
目を離した隙にしがみつかれ、勢いのあまりそのまま倒れ込んでしまう。
腰に腕を回した木島が口を尖らせていた。
「久々に会ったんだからもっと安月ちゃんとそばにいたい」
「エアコン治ってからにしてください…」
そう、現在安月の家ではエアコンが付いていない、いや、付けられないのだった。
木島が家に着いたとき、外の暑さで顔が真っ赤に熱っていた。
部屋の中で暑さは感じなかったが、直射日光を浴びてきた彼を涼ませてあげようとエアコンのリモコンに手をかけた。
しかし何度電源ボタンを押しても反応せず、リモコンの電池が切れているのかと思い直接電源をつけても変わらない。
コンセントを確認してもしっかりと差してある。
エアコンが壊れたのに気がついたとき、テレビからは夏の始まりを知らせてたのだった。
「離れてもらっても…」
「…やだ」
「やだかぁ…」
木島はより一層抱きつくと安月の胸に頭を置いた。
彼が近くなったことにより汗の匂いが鼻腔を満たす。
エアコンが壊れたときはまだよかった。
しかし徐々に気温は上がり、いつしか二人は会話が途切れるほど暑さに頭がやられていたのだった。
安月は諦めたようにため息を吐くと木島の頭を撫でた。
それでもまだ物足りないのか、木島はしばらく撫でられていたものの安月の首筋に近づくと舌先で撫でた。
「しょっぱい」
「ん…舐めないで」
「あいたっ」
軽く頭を叩くも気にした様子もなく、木島は喉仏を唇で挟んで遊んでいる。
体がベッタリとくっついているため体温が伝わり暑く、汗が香った。
それがやけに安心してしまい、夏のせいなのかくっついてるせいなのか、ほんの少し体温が上がった気がした。
「…安月ちゃん」
「ん?」
木島がそっと顔をあげ甘えたような表情を浮かべる。
回した腕に力を込め、ゆっくりと口を開いた。
「シたい」
「暑いからやだ」
「ありが、えっ!?」
まさか断られるとは思わなかったのだろう、木島はガバッと体を起き上がらせた。
目を見開く彼に今度は安月が口を尖らせた。
「暑いし暑いし暑いしそれに…」
「それに?」
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