年上の初恋相手はまさか

・作

小さい頃からおじの貴之に片思いをしていた優里。二十歳を過ぎてもその思いを忘れられず、結局恋愛経験がないままでいた。ある日、友人に勧められて始めた出会い系サイトで貴之の面影のある人物を見かけて、優里はその人物と会うことにした。

私には昔から好きな人がいた。

その人は私より何歳も年上で、大人な人。

私のお父さんのお兄さん。

名前は貴之さん。

小学校の頃、好きって言ったら「ありがとうな」って言って頭を撫でられた。

本気にされていないことが簡単にわかって悔しかったけど、自分が子どもだからいけないんだと思った。

でも大きくなってわかった。

私は、貴之さんにとっては、いつまでたっても子どもだ。

だから、諦めることにした。

「この人……」

二十歳を過ぎても私は初恋を引きずり、ろくに恋愛もしないまま過ごしていた。

そんな私を見かねてか、友人に出会い系サイトを紹介された。

特別興味もなかったけど、何となくで登録をした。

そして、ある日サイトを覗いていたとき、一瞬心臓が止まったかと思った。

写真には口元しか映っていないけど、その表情がとても貴之さんに似ていたのだ。

多分年齢も同じくらい。

私は思い切って、その人に声をかけてみることにした。

数回やり取りした後、実際に会ってみようという話になった。

予想以上に展開が早くて、これが普通なんだろうかとぼんやり思う。

でもそれも最初のうちだけで、会う日が近づくにつれてどんどん緊張してきた。

知らない人といきなり会うのだ。

変な人じゃなかったらいいけど。

どきどきしながら待ち合わせ場所で待つ。

「優里ちゃん……」

約束の時間、呼ばれたのはサイトに登録した偽名じゃなくて、本名だった。

その懐かしい声に、聞き覚えのある声に、私は泣きそうになりながら振り向いて、

「貴之さん……?」

そこにいたのは顔の似た別人じゃなくて、ちゃんと私の好きな、貴之さんだった。

「なんで僕なんかに声かけてきたのかな」

カフェに入ってお茶をしながら貴之さんは困ったように笑った。

私は貴之さんがずっと好きだったことを話す。

「似た人だなって思ったから、思わず声かけちゃって」

私はずっとどきどきしながら返事をする。

本人でよかった。

もし本当に知らない人だったら、それはそれで吹っ切れていたのかもしれない。

けれどやっぱり、好きだ。

貴之さんは相変わらず困ったように笑っている。

私はふと疑問に思った。

「貴之さんはどうして私と会ってくれたんですか」

私は顔を普通に出していたし、貴之さんからすれば私だってことはきっとすぐわかったはずだ。

それなのにどうして。

「……それはまた後で話すよ」

それより今日は楽しもうか、と貴之さんはやっと普通に笑ってくれた。

私も嬉しくなって頷く。

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