新人マネのお仕事は、彼専用の? (Page 4)
「あっ! やっ、ぁっ…!」
バックで突かれ、声が漏れ出る。
「菫さん…すみれ、さん…っ…!」
抽送を繰り出しながら、私の名を呼ぶ翼くん。
…なんでだろう。その声が切なそうなのは。
犯されてるのに、ほっとけない気持ちになる。
重ねられた、翼くんの手。その指先に。
「翼、くん。いるよ。私は…ここに」
呟いて、下になってた自分の手の指を絡めた。
「…菫さん」
ちょっと、柔らかくなった声が聞こえた。
首だけを傾けて、後ろを見る。目が合った。
翼くんは抽送を止め、少しだけ笑うと…また、キスした。
今度はそっと、触れるだけの…キスを。
「もうすぐ…だから。菫さん、もう少しだけ」
そう言うと、翼くんは抽送を再開した。
「菫さん…いい? 気持ち、いい…?」
ぱちゅん、ぱちゅん、と水音を響かせながら聞いてくる。
その音に。その声に。頭がぼうっとしてくる。
「気持ち…いいっ、翼、くん、つばさくん…」
本音が、口から漏れ出る。
「俺も…いい、よ…菫さんっ…!」
「もっ、だ、め…イッちゃ…うっ…!」
「待って、俺も…一緒、に…っ」
翼くんが抽送を速めた。
体ががくがく揺すられ、まともに声が出ない。
はあはあと浅い息をつき、されるがままだ。
「イク、よ、菫さんっ…!!」
その声と同時に、一際強く腰を打ち付けられ。
「ああぁっ…!!」
びゅく、びゅく、びゅっ…、びゅ…!
「で、出て…翼くんのいっぱい、ナカに…」
「まだ…だよ。俺の、全部…菫さんに…っ」
ぴったりと腰を密着させ、精液を吐き出しながら翼くんが呟くように言う。
その言葉通り、奥に精液が出てるのがわかる。
体を震わせ、それを受け止めるしか出来ない。
「…は、ぁっ…」
大きく息をつき…翼くんがペニスを引き抜く。
ナカを塞いでたものがなくなると…。
こぽりと音を立て…精液が、床に零れ落ちた。
「これでもう、俺のものだね。菫さん」
そう言いながら翼くんが、頭を撫でてきた。
突っ伏して動けない私からは、顔が見えない。
けど、…なんでだろう。
翼くんは多分、笑ってる気がした。
*****
コンコン、とノックの音がした。
「どうぞ」
鍵は開けたし、掃除や身支度も済んでいる。
ADさんが入ってきて、翼くんに声をかけた。
「灰谷翼さん。スタジオへお願いします」
翼くんは髪を整えながら「はい」と答えた。
ADさんが出ていくと、翼くんは私を見た。
「じゃあ、菫さん。行ってくるよ」
「…うん。頑張って、ね」
「はーい。ま、気分も良くなったし頑張るよ」
「気分、悪かったの?」
なんとなく、機嫌が悪い気はしてたけど。
そんなのも気づかないなんて、マネージャー失格だ。
そう考え、落ち込みそうになったとき。
翼くんが、きまり悪そうに言った。
「あー…なんていうか、精神的なものかな」
「私が力になれるかわからないけど…話して」
私の言葉に、じっとこっちを見る翼くん。
それから、こほん、と咳払いした。
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