官能表現を手に入れたいある漫画家の話 (Page 4)

どちらともなく離れた口から糸が伸び、切れる。高岡さんは名残惜しげに私の頬にキスをして、またもや抱きしめてくる。彼の鼓動は早鐘のように脈打っていて、体温が上がっていくのを感じる。高岡さんが、私を求めてくれることが嬉しかった。

（もっと…）

私は彼の背中に手を回し、ぎゅっと抱きつく。彼の手は私の太ももや胸の辺りに服の上から触れ、撫でるように這っていく。

私の体はびくびくと反応し、小さく跳ねる。彼は私の耳にそっと息を吹きかけ、耳たぶを甘噛みしてくる。ぴちゃぴちゃと水音が直接脳内に響く。

「今、どんな風に感じてます？」

「ち、聴覚が、犯されてるみたいです」

高岡さんは満足そうに笑うと、再び唇を重ねた。
私は彼にされるがまま、快楽に身を委ねる。

「視覚も、無い方が良いかもしれませんね。その方が余計なことを考えずに済むでしょうし」

そう言うと、高岡さんはジャケットを脱いだ。そしてネクタイを緩める。その様は、色気があふれ出していて、直視できないくらいに妖艶だった。
彼はそのままネクタイで私の視界を奪った。暗闇の中、高岡さんの吐息だけが聞こえた。

首筋に吸い付かれ、チクリとした痛みを感じる。それと同時に、Tシャツの裾から侵入してきた手が、下着越しに膨らみに触れる。
ゆっくりと形を確かめるように揉まれて、甘いうずきが広がる。やがて手が背中に回されると、ブラジャーの金具を外す音がした。
そのまま上にたくし上げられて、解放された乳房が外気に晒される。

（ああ、期待してるんだ、私…）

そんな私の心の声に応えたかのように、彼は私の乳首を優しくつまむ。
高岡さんは片方の手で乳輪をなぞりながら、もう片方を口に含んで転がす。
時折、軽く噛まれるのがたまらなく気持ち良い。

「あっ！んっ！」

思わず漏れた声を聞いて、高岡さんはクスクスと笑った。

「ここ、弱いんですね。かわいいですよ」

私は今更恥ずかしくなって、顔に血が上るのを感じた。彼は私の耳元でささやいた後、再び舌を耳の中に差し込んでくる。
ゾクッとする感覚と共に、全身に鳥肌が立つ。
次の瞬間、彼の指先がショーツの上から割れ目をつついてきた。

「ひゃうっ」

突然の刺激に身をよじる。けれどすぐに高岡さんの手が私の脚を押さえつけて動けないようにした。

「すごいですね、トロトロじゃないですか…」

そう言って、彼の中指が下着の上から秘裂を往復する。その度に、くちゃくちゅと水音が鋭くなった耳に届く。