勘違いな片思い (Page 2)
ああ、玉山に聞いたんだ…。
「シバちゃん?隣のビルに彼氏がいるみたいよ?…って、仕事一本のお前が、なんでそんなこと…あー!芝崎ちゃんのこと…」
「最近の芝崎、勤務態度が前と全然違うから、気になっただけ。ありがとな」
やっぱり、彼氏か…。
どんな男なんだろ…イライラするなぁ。
「久保先輩、時間ありますか?」
「今、無理」
「…違います。仕事終わってから」
「あとで確かめるわ(全然大丈夫だよ。なんだよ、気になるじゃん)」
「急にすいません」
「いいよ。なんか相談か?(彼氏の話なら、聞きたくない。絶対)」
「飲み会するって玉山先輩から聞いてませんか?あ、でも、久保先輩、飲み会来られませんよね?」
飲み会?聞いてないぞ、玉山!
「もし大丈夫だったら、顔だけでも出したほうが玉山のためにもいいだろ。どうせ、玉山が幹事なんだろ?」
「違います。私が幹事なんです」
よし、飲み会で急接近してやる!
*****
他に人がいるっていっても、職場以外で会うって緊張するな…。
まぁ、俺も年内で辞めるし…毎日、会えなくなるのか、辛いな。
でも、頼もしくなったな、芝崎。
会社辞めるって報告したあとだもんな、俺が芝崎のこと意識し始めたの。
今夜は、芝崎の近くに座る。
確か、この店だよな…。
「いらっしゃいませ」
「芝崎の名前で予約し…」
「こちらのテーブルになります」
ちょっと待て。芝崎、ひとり?
なんだよ…髪と服、職場と全然違うじゃん。
なんなんだよ、どうしたらいいんだよ俺は。
「こんばんは、久保先輩」
マズい…めちゃくちゃ可愛い。
芝崎に関しては心が揺らぎまくりで、理性が飛びそう。
抱きつきてぇ…。
「…他の人たちは、まだなのか?」
「嘘です」
「なにが?」
「今夜は、私だけです」
待て、待て、待てって、ふたりきり?!
腹、くくってここに来たって感じだな、芝崎。
彼氏と結婚しますって報告だけはやめてくれ。
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