Sな彼にMにされた私 (Page 3)
慌ててカーディガンを羽織り、ニットをユウキのソレに掛けた。
ユウキは、ニットの下に手を入れソレをボトムに収めた。
「リナの口のせい。我慢できなかったの?このあとホテル行く予定なのに」
「ホテルって…して、くれるの?」
「乳首立ってるぞ」
思わず、胸の前で両手を組んだ。
コンコン。
「窓、開けてもらえますかー?」
警官がユウキの窓ガラスをノックしている。
ブーーーーーーーーーン!
ユウキ…まだバイブ中に入ってるの知ってて、リモコンで操作してる。
私のほうにも警官が来て、窓開けてとジェスチャーしている。
スイッチに手を掛け窓を開けると、小さな振動に変わったけどオフにはしてくれない。
「ちょっとお聞きしたいことがありまして」
「はい」
「今日はデートですか?」
「はい。僕たちこれから行くところがあるんですけど…なんでしょうか?」
私のほうの警官が舐めるように見ている。
ユウキのほうにいる警官がスマホを差し出した。
「これ、なんですけど…」
「はぁ…それがなにか?」
「車の中で、裸になったり、そういう行為をすると、公然わいせつ罪にな…」
「知ってます。このSNSと僕たちに、なんの関係があるんですか?まさか、僕たちだと思ってるんですか?」
ユウキのほうを向いているのに、私のほうの警官が舐めるように見ているのが視野に入る。
「スマホですか?」
「え?」
奥から愛液が溢れ出すバイブの音が微かに聞こえてるみたい。
警官の目を気にしながら、膝に置いたバッグからスマホを出した。
「着信でした」
ユウキ、なにもできなくてごめん。
「ここなんですけど、カーセックスするカップルの穴場になって…」
「ただ話していただけです」
ユウキは私のほうに身体を傾けダッシュボードから車の証明書を出した。
「免許書と証明書です」
警官は黙り込んで、私のほうの警官と目配せしている。
「カップルが車で来ると、その、ね?失礼しました」
そう言って、ふたりの警官はパトカーに戻って行った。
ユウキはパトカーが出る前に、海が見える広場を後にした。
「リナ、SNS開いてくれない?」
なんだろ?またバッグからスマホを出して、SNSを開いた。
「え?うそでしょ?」
「バズってるだろ?さっき警官が俺に見せてきたんだよ、それ」
『県外から魚運んで仮眠しに来たのに羨ましいな!!離婚したばっかでムカつくからお前らを晒す!!!!』
そんなつぶやきと共に、上半身裸で両脚を開きバイブを入れた女性が運転席の男性にフェラチオをしている写真が載っている。
顔はボカシてくれてるけど、明らかに私たちだった。
私の脇にあるアザが映り込んでいた。
「人違いだろ」
「ううん。おととい私のこと縛ったでしょ?あのとき転んで脇に変なアザができたの。アザが映ってる」
ブーーーーーーーーーーーーーン!
「や、ぁああ…ダメだよユウキ…運転中、でしょ?」
「腹減った。飯食い行こうか?」
「ヤダよぉ…ランチまで、あぁっ、まだだよ…」
ユウキはクスクス笑って、車を走らせた。
「ホテル行けば食べれるじゃん」
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