ちゃんと「待て」をしましょうね? (Page 5)
「ごめんね、勘違いさせちゃった」
「……怒ってますよ、僕」
「うん、だからごめん」
モモとアオイは、繋がった体勢のまま、話していた。できるだけモモはアオイの体を抱きしめ、離さないようにする。
「僕のことを話してたんだろうなとわかります。でも、僕も男です。あんな風に男友達と話さないでください」
「テツはそんなんじゃないけど、気をつけるから」
「絶対ですよ」
彼の瞳に力がこもっていた。そして見つめられながら、アオイは眉を八の字に下げる。
「…僕のこと嫌いになりますか?さっきあんな風に僕のどす黒いとこ見せちゃいました。あんな風に抱くつもりはなかったんです」
「えっ」
「最初は優しくって、一応思ってたんですけど」
「いや、嫌じゃなかったよ?むしろ…」
モモが言いかけた時、アオイは目を丸める。彼の驚き顔に、モモはしまったと思ったが、もう言いかけてしまったものはとめられない。
「…ああいうのが、あたし、好きかも」
穏やかなアオイに、淫らに責められること。少し扱いがひどいほうが、モモは気持ちよくなってしまった。体の相性というか、彼のあのセックスのスタイルがモモは好きになってしまったのだ。
「じゃあ…」
アオイが目を光らせた。先程と同じ、粗雑な顔だ。モモは、体を繋げているから自身の秘処がきゅんとしまったのがすぐにアオイに伝わることを恥じる。
「今度こそちゃんと「待て」をしましょうね?」
アオイの顔を見て、モモはまた彼とのセックスが恋しくなった。
Fin.
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