ちゃんと「待て」をしましょうね? (Page 3)

「や、アオイくん…ッ!?あっ…!」

モモは固く冷たいベッドの上に身体を投げ出され、のしかかってくるアオイに唇を塞がれる。飲み屋のすぐ近くにあったラブホテル。飲み屋から手を引っ張られ、モモはホテルに連れ込まれたのだ。シックなラブホテルの外観通り、部屋の中も黒と白で統一されている。固すぎるベッドに押し倒され、モモは身体を強張らせる。

(ずっと、アオイくん、しゃべってくれない…!)

ホテルに連れ込まれるまで、そしてエレベーターの中、部屋からベッドまでの距離、アオイは一言も喋らない。無言であるアオイにモモはずっと「テツの冗談だよ?悪い嘘なんだよ!浮気とかじゃないから!」と弁明したにも関わらず、アオイは何も言わなかった。

(普段のアオイくんなら、「先輩、気をつけてくださいよ」とか言ってくれそうなのに…本当に怒っているの…?)

「んうぅ…」

薄く開いた唇の中に、アオイの太くて熱い舌が侵入してきた。ちゅくちゅくという水音が、部屋の中に響き渡る。手荒で、乱暴で、どこか粗雑な口づけ。口づけを深めながらも、アオイはモモの衣服に手をかけていた。

(えっ…!)

「はぁ…あ、アオ…くんっ!あぁ…!」

柔らかな膨らみを揉まれ、モモはキスの合間に熱い吐息と共にアオイの名前を呼ぶ。アオイの息もあがっていて、うっすらとこめかみが汗ばんでいた。

(こわい…アオイくん)

モモは恋しい人に対し、初めて恐怖を覚えた。何も喋ってくれないまま、胸を揉まれ、衣服から肌をさらけ出される。噛みつくようなキスは、アオイの中でくすぶる怒りを感じる。

「んっんっんっ…!アオイくん…やぁっ…!」

空気にさらされた柔らかなモモの胸に、アオイはむしゃぶりついていた。ぴんとたった桃色の乳首に吸い付かれ、その乳首を彼の口の中で転がされる。アオイの熱い舌先がゆっくりとねぶるように乳首をいじるため、モモは恐怖と快感がまじった嬌声を発する。

久しぶりの気持ちよさ。モモにとって弱点の乳首をれろれろと舐められて甘咬みされると、下腹部が疼く。熱がたまっていくのがわかる。

「やっ、やっ、いやっ、いやぁっ!アオイ、くん…!こわ…っ!」
「…怖い?」

アオイは、胸に唇を押し付けたまま、怪訝に目を細めた。低い声に、モモはどきりとした。先程まで恐怖を感じていたが、彼の低い声はなぜだか胸が熱くなった。

「抱かれたかったんでしょう?俺じゃない誰かに、抱いてほしいと言うほどに」
「いっ…!」

乳首が、彼の歯に挟まれる。本当に柔らかい甘咬みではあるが、モモは気持ちよさに目の前が真っ白になりそうだった。彼の手が太ももの内側をなぞり、身体がびくつく。

「ぁ、ぁあ…!ち、ちが…!」
「先輩、淫乱なんですねぇ。知ってましたよ、俺ともずっとしたそうでしたもんねぇ?」
「え…あっ!」
「俺、先輩が自分からしたいって言うの待ってたんです。先輩はちゃんと待てができるいい子だと思ったのになぁ」
「ア、アオく…!そこ、待って、まって…!」

舐められていない乳首を、指でもてあそばれる。指で弾かれ、乳首を肉に埋め込むくらいに押しつぶされ、くにくにと指が動く。一方で太ももを伝っていた指は、下着越しにモモの秘処をなぞる。

喘ぐモモに、眉間にシワを寄せているアオイが言い放つ。

「俺以外に、抱かれたいとか言ってんじゃねぇよ」

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