終業後はサイボーグ系上司をどろどろにとろけさせています。 (Page 2)
互いの顔が見えるギリギリまで落とした照明が、オレンジと黒の陰影を作る。
広いベッドの上に横たえた彼の太ももの上にホテル備え付けのガウン姿で座って、ワイシャツのボタンを上から順に外しながら、私は問う。
「ジム通ってるって、この間話してくださいましたよね」
腹筋の陰を指先で触れるか触れないかくらいの強さでなぞると、びくり、と彼の体が震えた。
「綺麗な腹筋」
ジャケットとズボンを脱がされて、ワイシャツと下着というちょっと情けない姿でベッドに仰向けにされているのは、黒岩係長だ。もっとも、終業後にそう呼ぶと嫌な顔をするので、下の名前で蒼矢くん、と呼ぶようにしている。
両手をネクタイでベッドの上部の柵に拘束されて、はだけた腹部を撫でまわされながら、彼は目をふせて、長いまつげを震わせる。
その気になれば拘束なんてやめさせられたのに。そもそも、待ち合わせの駅に来ない選択肢だってあったのに。ホテルの入り口できびすを返すことだってできたのに。
週に一度、金曜日の終業後。一度職場で別れてから、わざわざ離れた駅で待ち合わせて。わざわざ来るのだ、この人は。
年下の女の部下に、自分の体をおもちゃにされに。
「もう、おっきくしてますね。そんなに楽しみだったんですか?」
下着の布越しに、膨らみ始めたそこを指先で撫で上げる。んくっ、と吐息の混じった喘ぎ声が彼の鼻から抜けた。上ずっていて可愛い。
「…一週間、抜くの…やめ、てて…」
掠れた頼りない声で、彼が言う。言いながら、みるみるうちに顔が紅潮していくのが分かった。指先に触れるものの熱も上がる。
「気持ちよくなりたかったから?」
私が聞くと、彼は恥ずかしさに耐えられなくなったように目を閉じて…ひとつ、小さく頷いた。
「正直にお話できて、蒼矢くんはえらいですね」
私は彼の上に体を擦り付けるようにして、すこし上に移動する。びくびくと脈打つものが下着とガウンの布越しに、私の秘所に当たった。それが分かったのか、彼の息が少し荒くなった。
体を倒して彼に覆いかぶさるようにしながら頭を撫でる。いい子、いい子、とささやきながら。
そのままキスをすると、遠慮がちに唇が開いた。隙間から舌をねじ込んでやると、おずおずと彼の舌先がこちらを迎えに来る。先端をくるくると舐めまわして、舌の裏を舐め上げると、体の下で彼がびくびくと跳ねた。腰が揺れている。
ちゅぱっ、とわざと音を立てて唇を離す。薄く唇を開いて荒く息をしながら、意思を感じさせないとろんとした瞳で彼がこちらを見つめている。完全にできあがってしまった。ここからは、何をしても大丈夫だ。
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