SNSで知り合ったイケメンがフェロモン系ドSだった場合 (Page 2)
すぐホテルに行くのかと思ったけど、千景さんは私をカフェに誘った。壁向きのカウンター席に並んで座って、他愛ないお喋りをする。見た目は少し近寄り難い雰囲気だったけど、色んな話題を振ってくれて凄く楽しい。
仕事のこと、友達のこと、趣味のこと、恋愛のこと。時間が経つにつれて、千景さんに対する警戒心はどんどんと薄れていった。
「じゃあ、そろそろ行こっか」
千景さんはそう言って、私に向かって手を伸ばす。吸い込まれるようにその手を取れば、千景さんはニコッと嬉しそうに笑った。
*****
さすが場慣れしている千景さん。彼が選んだのは、あからさまな所じゃなくて落ち着いた雰囲気のラブホテルだった。
一緒にお風呂に入ろうと提案されて、恥ずかしさから戸惑う私。すると千景さんは、バスタブに入浴剤を入れてくれた。
二人で乳白色のお湯に浸かって、千景さんは後ろから私を抱き締める。エッチなことをするわけじゃなく、まるで恋人同士みたいな甘いイチャイチャ。すぐにがっつこうとしない彼に、私は益々好印象を抱いたのだった。
「那月、おいで」
すっかり彼を信用した私は、本名を教えた。広いベッドの上に胡座をかき、ニッコリと微笑みながら両手を広げる千景さん。恥じらいながら胸に体を預けると、彼はギュウッときつく抱きしめながら私の耳元で囁いた。
「今から抱いてもいい?」
低く艶のある声に、体が震える。コクリと頷くと、千景さんは手を伸ばし枕の下から小さな小瓶を取り出した。
「それは?」
「媚薬だよ。飲んだことある?」
フルフルと首を左右に振る。千景さんは優しく笑いながら、私の額にチュッとキスをした。
「体に害のない軽いものだから大丈夫。俺のこと、信じてくれる?」
「…はい、千景さんなら」
「ありがとう、那月」
彼は小瓶の蓋を開け、それをクッと自身の口に含む。そのまま深いキスをされて、私の口内に媚薬が流れ込んできた。
「ん…ふぅ…んぁ…」
クチュクチュといういやらしい音を立てながら、千景さんの舌が私の舌を絡めとる。ジュッと強めに吸われて、思わず体が反応した。
「ふふっ、那月は可愛いね」
彼は甘い声でそう言って、私の口の端から溢れた媚薬をペロリと舐めた。
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