SNSで知り合ったイケメンがフェロモン系ドSだった場合
性の不一致が原因でつい最近彼氏と別れたばかりの私、横川那月。SNSで偶然見つけた少しSっぽい男性のアカウントに興味を持ち、軽い気持ちでDMを送るとなんと会うことに。待ち合わせ場所にいた男性は予想より遥かにイケメンで…
別に私はドMじゃない。ただ、どっちかといえばそっちの属性かなー?くらいで。それなのに前のカレは私をドM扱いして、ついていけないだのなんだの。こっちだって正直エッチの時は演技入ってたし、って言ってやりたいのをグッと我慢して綺麗にお別れした。
見た目には気を遣ってるし、そこそこ可愛いって自覚もある。でもすぐに次の恋愛に行く気になれない私は、やっぱり元カレから言われたことに傷ついているらしい。
彼氏はいなくても、性欲はある。自分でするのもいいけど、誰かと肌を合わせたい。
そんな気持ちでSNSをチェックして、遊び半分で「ドS」って検索してみると、意外とそういう人達の裏アカがたくさんヒットした。
その中でも、フォロワー数が千を超えてる「千景(ちかげ)」というアカウントに特に興味を惹かれた。自分がしたいプレイのこととか、実際にしたエッチの内容がいくつも呟かれてる。それがソフトSって感じで、絶妙に私の性癖に刺さった。
「住んでる場所も近いっぽいし、DM送ってみようかな…危ないかな。でもフォロワーこんなにいるし、大丈夫ってことかな」
この「千景」さん、相当手慣れてる遊び人っぽい。DM送ってって書いてあるし、実際に何人もの女の子と会ってエッチしてるみたいだし。でも投稿の文章が妙に落ち着いてて、それが色っぽくてドキドキするんだよなぁ。
「いいや、送っちゃえ」
私も本アカとは別のアカウントを作り、ダメ元で彼にDMを送った。すると割とすぐに返信がきて、あれよあれよという間に日程が決まり会うことになってしまったのだ。
普通のやり取りの文章も落ち着いていて、私は心臓を高鳴らせながらクローゼットの洋服達をいくつも引っ張り出した。
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「君がなっちゃん?」
那月だから、なっちゃん。DMで名乗った名前を呼ばれ振り向くと、そこには予想以上のイケメンが立っていた。
身長が高くてモデルみたいにスラッとしていて、今時のジェンダーレスな感じの服装がよく似合ってる。気怠げな雰囲気は色気ダダ漏れだし、ちょっとアウトローな感じも堪らなくドキドキする。
事前に写真交換しなかったからちょっと不安だったけど、ここまでだと別の意味で心配になってくる。この人は、私を見てガッカリしてないだろうかって。
「あの…は、はい」
「ふふっ、緊張してるの可愛いね」
「こんなに素敵な人が来ると思わなくて」
「それは俺も一緒」
千景さんの笑い方が色っぽくて、まだ何もしてないのにもう頭が爆発しそうだった。
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