甘い夜にスパイスを (Page 2)

「んっ、んん…」
「ほら、声が漏れてますよ」

酔っ払いの声が近づいてくる。
室内に逃れようとバスタブから身を乗り出したら、背後から乳首を思いっきり摘ままれた。

「…っ!!!」
「勝手に出ちゃダメですよ?」

抗議の目を向けても意に介さず佐伯は続ける。

「お尻を突き出しておねだりですか」
「そんな訳…」

佐伯の指が秘部に触れる。
久しぶりの刺激に、体が反応してしまう。

「腰が動いてますよ…体は素直ですね」
「ねぇ、部屋に入ろ?」
「こんなに濡れてるのに?」

佐伯の言葉に耳が熱くなる。

「こんなにって…」
「少し触っただけなのに、トロトロじゃないですか」

そう言うと佐伯は愛液をクリトリスに塗り、そのまま指でクリトリスを扱きはじめた。

「っ、んんっ」

必死でこらえても声が漏れてしまう。

「ほら、頑張らないと、聞こえちゃいますよ?」

刺激は徐々に強くなり、いつしか私は求めるように腰を振っていた。

「お願い…ねぇ、我慢できないっ…」

私は意識を手放した。

*****

気が付くとキングサイズのベッドの上。
体が熱を帯びたように温かい。

「暑い…」
「お茶で良いですか?」

口移しでお茶を飲まされて、そのまま何度も何度もキスをされて。
お風呂でのぼせたのか、それとも佐伯のせいなのか。
分からないけどボーッとする。

「少し、風を入れましょうか」

佐伯がテラスに繋がる窓を開けたらしい。
爽やかな風が室内に入って来た。
火照った体に、夜風が心地良い。

「恵美香」

佐伯は私の名前を呼んで、キスをしてからゆっくりと挿れて来た。

「んっ」

圧迫感が凄い。

「あぁ、気持ち良いです」

佐伯の甘い声とたくましい腕。
久しぶりの温もり。

心も体も。
奥から潤いが溢れる。

「好き…」

佐伯の首に腕を回して、何度も何度もキスをする。

ゆっくりした動きがやがて激しくなり、思わず声が出そうになったその時。
佐伯の人差し指が口の中に入って来た。

「んっ!」
「恵美香、窓が開いているのを忘れましたか?」

耳元で囁かれて、心臓が跳ねた。

「あっ、閉めて来ないと…」
「このままで」
「えっ?」
「我慢、できるでしょ?」

そう言うなり佐伯は、グンと奥まで入って来た。

「…っ!」

声が漏れないように、必死で指を噛む。
音が聞こえそうな程、心臓がドキドキする。

そんな私の様子を楽しむように、佐伯は弱い所を何度も何度も突きあげてくる。

「恵美香、好きです」

佐伯の言葉に感極まって、私はまたイッてしまった。

目が覚めたら佐伯が優しく頭を撫でてくれていて。

(こんな時間がずっと続くと良いなぁ)
って思った。

「そろそろ『佐伯』になりませんか?」
と優しい笑顔で言ってくれたから。

「はい」
って私も笑顔で答えたのが、今日一番のハイライト。

Fin.

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