唇が暴くカラダのウソ (Page 3)

「これは?」

「…へ、へ?」

「どういう風に感じる?」

すっぽり包む大きな体と長い腕にまるで自分がちっぽけな存在になったようだった。

「ドキドキはする?」

「う、うん」

「よかった」

ため息のように囁いてぎゅっと抱きしめる。

「セックスはしないよ」

またドキッとした。今度は別の意味で。

抱きしめられたまま、ばふっとベッドに転がる。

「今夜はこうやって結衣さんのこと抱きしめながら眠りたい」

「このまま、って」

「結衣さん、俺ね、結衣さんと初めて会う時めちゃくちゃ緊張したんだ」

「そうなの?…全然そういう風には見えなかったけど」

「うん。だって結衣さんの方がずっと緊張してるように見えたから」

「はい?!」

「緊張してたでしょ。ヒールも履きなれてなさそうだったし、肩とかガチガチになってたじゃない。おかげで俺、久しぶりに女の人とデートする緊張なんてどっか行っちゃった」

「わー、それはお恥ずかしい…」

「嬉しかったよ。頑張ってくれたんだって。あとね、実は俺、癖っ毛のこと結構気にしてたんだけど、そこに惹かれたって言ってもらえて嬉しかった」

「…そうなんだ」

「うん。俺にはただの欠点だったから。だから、うまくできないことを結衣さんが欠点だと思ってても構わない」

さらにぎゅっと腕に力が込められる。

ああ、やっぱり。

マッチングアプリは成功だったわ。

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