私が寝ている間に、えっちないたずらをしてくる幼馴染 (Page 2)
休みの日は、惰眠を貪るに限る。
それも自室のベッドでゆっくり眠ると、例の役得な夢が見られる率が高いのだ。
現実はどうあれ、やっぱり好きな人に触ってもらえる夢は見たい。
そりゃ相手も大学生とはいえ二十歳を迎えてるし、実際に付き合ったりするのは犯罪じゃないんだろうけど、そもそも私は相手にもされてないだろうし…。
四つの年の差は、大人になってもまだまだ意外と大きい壁なのだ。
昼過ぎまでがっつり寝こけていたせいか、夢のほうもかなり過激だった。
いつもは下着のクロッチ部分しか撫でない手が、ついに中に入り込んできて、ついに私の秘裂を撫で上げ――
『濡れてるね、瑞月』
「まだ寝てたの、瑞月」
反芻していた声に重ねるように声を掛けられ、私はベッドの上で思いきり飛び上がった。
くせっ毛の黒髪に、ピアスが光る耳元。
扉の向こうで呆れた顔をしているのは、夢と同じ男だ。
「びっ、くりしたー…!勝手に開けんなっていってんじゃん!」
「昼飯。食いっぱぐれるのは可哀想かと思って来てやったのに」
「それはどうもありがとう、出てけ!」
「出てくも何も入ってねーし」
可愛くないことを言いながら、庄の姿が消える。
夢の中だと、あんなに優しいのに…。
まあ、それもそうか。所詮は夢だ。
私のほうも、あんな夢を見た罪悪感もあって結構きつく当たってしまった。
階段を降りていく庄の足音が聞こえ、私はほうっと肩の力を抜いた。
*****
「あれ、お母さんは?」
「パート」
階下に降りて顔を洗い、リビングに顔を出すと座卓には庄の姿しかなかった。
父は元々出かけると聞いていたが、母は聞いていない。
「今日ってそうだっけ?」
「なんか、急に代打頼まれたらしいよ。ついさっき出てったばっか」
「ふーん、じゃあ帰りは夕方過ぎかな」
私は寝間着のまま、自分の定位置に腰を下ろす。
庄が座っている位置から見て、テーブルの角を挟んだ隣だ。
テーブルの上には、すっかり食卓ができあがっている。今日のお昼ご飯はいなり寿司らしい。二人そろって両手を合わせた後、私はお味噌汁を飲みながら庄に聞いた。
「で、庄はなんでうちにいんの」
「漫画貸してっていったじゃん。忘れたのかよ」
恨みがましく睨まれ、私は舌をちろりと出した。
そういえば、昨日そんな連絡をもらった気がする。寝る前に庄の名前を見たせいか、どうりでえっちな夢なんか見たわけだ。
「おばさんが出るところに、ちょうど出くわしたの。そしたら昼飯、おいなりさんだっていうからご相伴に預かろうかと」
「あー、アンタうちのおいなりさん好きだもんねぇ」
「うまいじゃん。暇だし、食ったらついでにそのまま漫画読んでくわ」
庄の何気ない二人きり宣言に、私はむせそうになるのをそっと堪えた。
幼馴染と・・・自分の初めてとシンクロするところが多くて思い出しました
まにゅ さん 2021年7月13日