彼氏の浮気を目撃した私が身を投げたら異世界転移した先の王様に愛されまくった話
島田あいは、遠距離恋愛中の彼氏の家にサプライズで行き、他の女と裸でいるところ、つまり浮気現場を目撃してしまい、ショックのままに身投げをしてしまう。そして目を覚ますと、日本ではない別の世界にたどり着いていた。いろいろあって助けてくれた国の王、ディオンと恋仲になり、毎日抱かれる生活を送ることに……。
「アイ!俺が来たぞ!」
バアン、と大げさな音を立てて、豪華絢爛(ごうかけんらん)をそのままにしたような扉が開かれる。
入ってきたのは綺麗な金色をしたライオンみたいな髪の毛と、力強い赤い目を持った、この国の若い王様。
王様の名前は、ディオン……なんとかって長い名前が続くけど、ディオンていう始めの部分しか覚えていない。
何にしろ日本人である私、島田あいにはあまり馴染みのない横文字の長い名前だ。
私ももう日本人と名乗ってはいけないというか、名乗れないのかもしれないのだけど。
ここは日本ではない、わけのわからない国。
どうやら私は、異世界へと転生、もしくは転移されてしまったらしい。
日本にいた時の最後の記憶は、長く付き合っていた遠距離恋愛中の彼氏にサプライズで家まで会いに行ったら、知らない女と裸でいたこと。
あまりのショックでその場から逃げて、大きな橋から川を眺めていたら、身体が前のめりになって、身体が空に浮いて……。
多分、死んだと思うのだけど、死んでからここにきたのか、死ぬ直前にここに投げ出されたのかはわからない。
気が付けばこのお城で保護されていた。
話を聞くと、私は川のふちで気を失っていたらしく、それを王族付きの兵隊さんに見つけてもらったとか。
目が覚めてからは、なんだか周りが大騒ぎだった。
この国では黒い髪の人間は神様の生まれ変わりらしく、とても丁寧に助けてもらった。
何故か言葉も通じるのでいろいろ聞いたりしたけれど、みんな日本という国を知らないし、アメリカとかイギリスとか他国の名前もわからないと言っていた。
この国のことや世界のことを教えてもらったけど、ちんぷんかんぷん。
なので私は、異世界に来てしまったと判断したわけだ。
日本に戻りたいとは特に思わないのでこの世界に来てしまったのは別にいいのだけど、それよりももっと頭を悩ませることがあった。
それがこの部屋に訪れた王様、ディオン。
彼である。
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