年下わんこ系彼氏と塩対応な私
学生時代からの付き合いである陸と杏奈。年下の陸はとっても甘えん坊で杏奈にいつでもベタベタとして、まるで犬のよう。対する杏奈はいつもそっけない対応を取っていた。しかし恋人らしいことをする時は、杏奈もいつもよりちょっとだけ素直になり――……
「うわーん杏奈~!また課長に怒られた!」
おどけた口調というべきか、甘えた口調というべきか。
私の年下の彼氏、陸が帰宅早々抱き着きつつ泣きついてきた。
「しょうがないね、お疲れ様」
「うわん!杏奈も冷たい!ひどい!俺泣いちゃう!」
「どうせまた課長の確認ミスでしょ」
「そうなんだよね!さすが杏奈!よくわかってる!」
コロコロと表情がよく変わる犬みたいな陸は、高校時代からの付き合いだ。
同じ卓球部で出会い、当時ノリで入ってきたという陸は正直目障りでしかなかったけど、私を好きになってから態度を改めたと聞いて少し見直したこともあった。
それから私が卒業する時に告白され、なんとなくで付き合い、今に至る。
でも今年で付き合って7年目になるなんて、私が一番信じられない。
すっかり着慣れたスーツを脱ぎながら、陸はしょんぼりとした様子で言う。
「明日会社行きたくないな~」
「休めばいいじゃん」
「それができたら苦労しないよ!でもオレ、早く杏奈と結婚したいし、頑張らないと!」
私も今の仕事嫌いじゃないしそれなりに稼いでるし、無理しなくていいんだけどな。
陸は自分が年下なのを気にしてなのか、いつも私に気を遣ってるというか、自分がやらないと、と躍起になっているところがある。
それが可愛くもあり、心配な部分だ。
「杏奈~膝枕して~」
着替えが終わり、リビングに戻ってきた陸がソファに座る私の膝に許可を出す前に頭を乗せる。
「聞いた意味」
「いいじゃ~ん。最近してもらってなかったし」
性格が犬みたいで身長が180を超える陸は、大型犬そのものだ。
この狭いソファで脚をはみ出しながらも私に甘えてくる。
「杏奈は今日、仕事どうだった?」
「残業1時間だけした」
「そっか。お疲れ様~」
私を見上げながら腕を伸ばし、私の頭を撫でる陸は優しい目をしていた。
いつからこんな目をするようになったのだろう、この眼差しに私は未だにドキリとしてしまう。
「……ご飯、そろそろ作るね」
視線を外し、陸の頭を下ろそうとしたけれど、陸は微動だにしない。
「……陸」
「杏奈、キスして?」
首を傾げながらあざとく聞いてくる陸。
聞こえないふりをしてもう一度陸の頭を下ろそうとするも、今度は手首を掴まれてしまった。
「あーんな」
目を細めて、いつもより少しだけ低い声で呼ばれる。
私がこの声に弱いと知っているからだ。
「……止まらなくなるじゃん」
「止める気ないもん」
「あんたねえ……」
どうしようか悩んでいると陸の手が後頭部に回り、私の頭を下げた。
油断していた私は簡単に陸に唇を奪われ、そのままキスは続けられる。
「ん……」
「んっ、ふふっ」
さらりと私の肩から髪の毛が落ち、陸はくすぐったそうに声を漏らした。
わんこ彼氏の甘えながらの責めが可愛くてエッチでした!
続きも読みたいです…!
ぷよこ さん 2020年8月23日