幼馴染と再会し一週間お試しで付き合うことにOKしたけど、キスの先を望むくらい欲情が溢れて…
家が隣同士の泣き虫だった幼馴染。突然訪ねてきた彼は昔の約束どおり付き合ってと言ってきた。彼氏はつくらない主義の私。付き合うことに難色を示すと彼からの提案が「一週間のお試しで俺と付き合ってよ」悩みつつも、成長した幼馴染の男の色気に彼が欲しくなってしまって…
丈二郎と私は家が隣同士の幼馴染だ。
丈二郎の初恋の相手は私で、小学校時代は毎年のように3回は告白めいたことをされていた。
だけどどう考えても、泣き虫の丈二郎が子分のような存在だった私は、それには全く応じなかったため、学生時代はなんの進展もなく過ごしていた。
ある日、訪ねてきた丈二郎は長身のイケメンになっていて、はじめは誰が訪ねてきたのかわからなかった。
「愛里、久しぶり。休暇でこっちに帰ってきてるんだ。まだ実家にいるって聞いて会いにきた」
「…丈二郎なの?一瞬、わかんなかった(笑)」
「ずっと、会いたかった」
清々しいほどまっすぐな目で見つめられ、ドキドキしてしまう。
「…とりあえず、上がってく?今お父さんもお母さんも旅行に行ってていないんだけど、二人とも丈二郎に会いたがってたよ」
丈二郎はいつも優秀でスポーツもできて、私が彼を連れ回して遊んでいたのはせいぜい小学校の低学年のころの話だ。
中学校になると少しずつ、彼は手の届かない存在になっていった。
彼女がいるとかいないとか、クラスの女子が騒ぐくらいの目立ちようで、とても彼と幼馴染だとか発言できるような雰囲気ではなかった。
お互い話さなくなり疎遠になって、スポーツ推薦でどこかの進学校へ行ったらしいと誰かから聞いた。
「愛里の家、懐かしいな…小学生のとき、よく家ん中でピクニックごっことかしてたよね」
「そうだっけ?ここにくるの、久しぶりだもんね」
私はコーヒーメーカーから出る黒い液体を見つめながら、そんなこともあったなぁと物思いにふけっていた。
すると背後に気配を感じ、丈二郎が後ろに来たのがわかった。
振り向こうとすると、彼の腕が急に私の腰に巻きつく。
「え?丈二郎、…どうかした?」
「愛里…好き、付き合って」
私は突然のことに驚き、沈黙する。
「もしかして、今彼氏いるの?」
「い、いないけど…どうしたの急に?」
「覚えてないの?約束のこと」
約束?なんのことだろう?
「小学校の卒業式。愛里に最後に告白したときのこと覚えてる?」
「あー…そんなこともあった、ような…」
「そんときにこう言ったじゃん?10年後まだ丈二郎が私のこと好きだったら付き合ってあげるって」
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