拗らせ剣心君の愛情表現
天地剣心は、美空桜子のことが大好き。だけどそれを伝えられないまま、彼は初恋を拗らせに拗らせていた。そしてその思いが、あることをきっかけに大爆発。大好きな幼馴染の感じてる顔がエロ可愛すぎて、剣心君は止まれません。
ことの発端は、桜子の何気ない言葉だった。
「伊藤君ってさ、Sっぽくてカッコいいよね」
俺・天地剣心(ケンシン)と美空桜子(サクラコ)は家が隣の幼馴染で、俺はずっと桜子のことが好きだった。
大好きで大好きでどうしようもないのに、この想いを桜子には言えないまま。それは大学生になっても変わらず、卒業間近の今になっても俺は幼馴染ポジションから動けないでいた。
「伊藤?アイツはダメ。タラシだから」
大学近くのカフェでアイスココアを飲みながら、俺は気怠げにそう告げた。
つか何だよSっぽいって。そんなタイプが好きとか初耳なんだけど。
「そっかぁ、タラシじゃダメだよね。残念」
「好きだったの?」
「まだそこまでは。かっこいいなって思ってただけで」
「ふぅん。まぁとにかくアイツを好きになるのは、ナシの方向で」
「うん。剣心がいうならそうする」
ニッコリ笑いながらそういって、桜子は大きめのクッキーにぱくっとかじりつく。
…何だよその台詞。しかもその顔。めちゃくちゃ可愛いじゃん。俺がそういうならって、信頼度半端ねぇじゃん。マジ何でそんな可愛いんだよ。つか、クッキーの食い方も小動物みてぇ。今すぐ飼いたい。
「剣心?どうしたの?」
「ん?や、何でも」
脳内でこんなくそ気持ち悪りぃ事考えてるなんて、絶対知られる訳にはいかない。俺は涼しい顔して、桜子の飲んでたカフェラテをヒョイっと奪って飲んだ。それに対し、桜子はいつもの事って感じで気にも止めてない。
良いのかよ、間接キスなんだぞ…!
「ねぇ、さっきから何?」
「何でもねぇって」
「悩み事あるんだったら、いってよ?私には」
「…ん」
ああぁぁ、チクショウ!マジで可愛過ぎる!!
脳内で一人悶えながら、また今日も告白できそうにない自分にガックリと肩を落とした。
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