鬼畜ドSの傲慢プレイに逆らえない

・作

瀬川伊織は過去に火災で体に大きな火傷を負い、それをとてもコンプレックスに感じていた。そのせいもあり内向的で、特に男性に触れられることがとても苦手。女としての幸せは得られないと諦めていた彼女がごく最近出会ったのは、黒井セナというミステリアスな男。彼は伊織に「今までに見たことない世界を見せてやる」と妖しく微笑んで…

私は、ずっとこのまま生きていくんだと思っていた。

「アイツさぁ、顔可愛いけど体にえげつない傷あって。俺引いちゃった」

かつて恋人だった男が、そういっているのを偶然耳にした。

唐突にフラれた原因に、気付かなかったわけじゃない。だけどハッキリと言葉にされると、さらに胸が苦しい。

この人ならきっと大丈夫。そう思ったから、体を許したのに。やっぱり心から私を受け入れてくれる人なんて、いはしないんだ。

瀬川伊織、二十六歳。大手出版社の事務として働く私は、根暗で付き合いづらいと有名らしい。

中学の頃火災に巻き込まれた私の体には、背中から胸にかけて大きな火傷の跡がある。皮膚はケロイドのようにつっぱり、時が経っても元には戻らない。

グロテスクで醜くて、私自身ですら見たくないと思う。

私の両親は私が生きていたことを喜び、火傷の跡を気にする私に「顔じゃなくてよかったね」と言った。

確かにそうなのかもしれないけれど。

広範囲に広がる醜い跡。皮膚移植する勇気も費用もない私は、死ぬまでこのまま。

愛し合っていると思っていた恋人からも突き放され、もう誰も信用しないとますます卑屈になっていた。

そんな時、ふらりと私の前に現れたその男は。

「お前が見たことない世界、俺が見せてやるよ」

なんて頭のおかしいセリフを口にして、私の手を強引に取った。

*****

「セナ…っ、も、これ以上は…っ」

ブブブブッ

強に設定されたバイブが、バイブホルダーで私の秘部に固定されている。

とっくの昔に皮の剥けたクリトリスに、ダイレクトに刺激を与えられ続けてもう頭がおかしくなりそうだった。

「はぁ……っあっ、も、またイク…っ」

ベッドに膝立ち状態で手首を後ろで拘束され、身動きが取れない。顔は涙と涎でグチャグチャ、もう何度達したか分からない秘部からは、透明な淫液がダラダラとはしたなく溢れ続けていた。

「あ!イク…っ、イッちゃうよぉ…セナぁっ!」

プシュッ、プシュッ

背中を退け反らせ、愛液を撒き散らす。何度絶頂を迎えても、セナは一向にバイブのスイッチを切ろうとはしてくれなかった。

「お前何回目だよ。クソビッチが」

私の目の前のソファに深く腰掛け、長い脚を優雅に組んでいる。

目の前で蔑んだ冷たい瞳を私に向けるのは、恐ろしいほど整った顔立ちの悪魔のような男だった。

ーー黒井セナ

それが本名なのか偽名なのか、私には確かめる術がない。

ただ、この男の手を取ってしまったその瞬間から私はもう、セナの奴隷だった。

「火傷の跡?興奮すんじゃん」

妖艶な笑みを浮かべながら、セナはそういった。

狂ってると、思った。

だけどその言葉は、私が彼から離れられなくなるには十分過ぎた。

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