生意気な後輩と二人きりに…。突然彼にキスをされ、半ば強引に体を求められてしまって…。
二人きりの雑談室…普段の彼とは違い、甘えるように私を求めてくる…。体中に何度もキスをされると、彼を求めるように私の体は自然と反応してしまって…。
私の好きな人は、とっても生意気。
「雛ちゃん先輩、今日も小さいっすね」
「…」
私の後輩である星倉君は、先輩である私のことをなぜか雛ちゃん先輩と呼ぶ。
「星倉君、今月の残業日報出してないのまたあなただけです」
「あら…雛ちゃん先輩優しいっすね。今月も入力してくれるんすか」
若い割に仕事ができて、判断力が鋭い。
上司や先輩、後輩からの人望は厚い星倉君なんだけど、それを感じさせない彼のこのだらけた感じ、普段のこのやる気のない態度。
「あのね、先月も先々月も、その前も。私が星倉君の残業日報入力してるんです。そうしないと私が帰れないので。いい加減自分で入力してください」
「…つまり、雛ちゃん先輩が入力してくれたら俺も助かるし雛ちゃん先輩も帰れるし、一石二鳥じゃないすか。助かりまーす」
本当、この適当加減…どうにかならないものか。
星倉君はへらへらと笑うと私に手を振って、去って行く。
彼の背中を睨みながら、結局今日も残業なのだとため息を吐いた。
「…ちょっと星倉君……」
「んー……あ、雛ちゃん先輩…遅いんすね」
結局、私が残業して星倉君の残業日報を入力した。
ようやく終わって帰るところで、畳敷きの談話室に明かりが付いていることに気付く。
中を覗くと、幸せそうに口を開けて眠る星倉君がいた。
「誰のせいだと……はァ…本当、働きすぎよ、星倉君」
「若いんで、バリバリっすよ」
起き上がった星倉君の隣に私も座り、鞄を置く。
仕事ができて、さらにまだまだ若い分、彼なりに期待に応えようと必死なのは見てわかる。
今日だって本当は夜勤明け休みのはずなのに、一睡もせず日勤をやり遂げた。
そう…私は彼の態度、言動と真面目な姿とのギャップにやられている。
「何、どうしたんすか。俺の顔まじまじと見ちゃって」
「え……あ…」
私はいつの間にか彼を見つめていた。
そして、気付けば彼の顔が目の前にあって…。
「んっ……ちょ」
「隙ありまくりっすよ、雛ちゃん先輩……」
星倉君の唇が私の唇に、触れた。
「ちょっ……星倉君…何」
「だって二人っきりっすよ。雛ちゃん先輩と俺。こんなに近いんすよ…」
さっきまで眠そうに笑っていた星倉君の顔じゃない、男の顔…。
今まで見たことのない色気のある顔に胸の鼓動が高まる。
臨場感がすごい
星倉くんの姿がリアルに想像できてたまりません💕
さるびあ さん 2020年3月13日