見習い執事はお嬢様の愛を知らない (Page 5)
「ル、ルルティア様っ……も、ダメですっ……抜いて、抜いてくださっ……」
「いーやーよ!最後まで気持ちよくなるのっ……それで、あなたは自分にもっと自信を持ってもらって……」
ゆっくりだったルルティアの腰遣いは、また少し激しくなった。
二人の手はいつの間にか結ばれ、恋人のように絡み合っている。
「あっ、ルルティア様っ……も、もうダメです!出そうっ……」
「出して、クリス……!出してえっ……!」
その願いは、叶えられた。
「あっ……!!ルルティ、ア、様っ……!!」
「熱いっ……でて、るう……」
ぎゅっと硬く結ばれた手は、二人の繋がりが解けるまでそのままだった。
――……翌朝。
同じベッドの上で、お互いの顔を見ながらルルティアとクリスは寝転がっていた。
「……ルルティア様」
「ん?なあに」
「……どうして、僕に自信をつけさせるために、ルルティア様が直接こんなことを?」
若干のジト目で、クリスは訊ねる。
昨日までなら見せなかったであろうクリスの顔を微笑ましく思いながら、ルルティアは歌うように答えた。
「好きな人に処女を捧げたかったからよ」
目が零れ落ちるのではないかと思うほど見開かれたクリスの頬に、ルルティアは手を添える。
「教えてクリス。あなたは自分に自信がついた?」
ルルティアの手をとりながら、クリスは目を伏せる。
「ええ、ルルティア様……あなたに愛されているという自信が、おかげさまで」
添えられた手を撫でつつ、一つ成長した男は答えたのだった。
Fin.
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