覗き穴の劣情 (Page 5)

もう随分、手は先走りでべたべたになっていた。

きっと彼女もだ。男はずっと彼女の蜜部を綺麗に舐め上げては唾液で汚して、また舐め上げてを繰り返していたのだから。

彼女も止めることなく愛液を溢れさせたことだろう。

長いこと弄られていたせいで、花唇のごとく、彼女の秘部もほんのりと色づき、じんじんと脈打つのが苦しいはずだ。

満を辞して、男は彼女の蜜部に指を挿入した。

十分なほどに蕩けていた彼女の膣は、なんなく男の指を飲み込んだ。

根元まで飲み込んだとき、彼女は激しく痙攣し、プシッと勢いよく潮を吹いた。

あっと、ぼくは思わず息を飲む。

彼女が絶頂に達する様をただただ眺めていた。

今までも見てきたのだからわかる。

彼女はあの男の指一本でイケるわけがないのだ。あの男のペニスの大きさで慣れていた彼女が、指一本で満足できるわけがないのだ。

それなのに、彼女はようやく入れてもらえたたった一本の指で、これ以上ないほど身を弓なりにしならせ声もなく絶頂に達した。

散々焦らされたことにより、スローセックスのような効果を得たのだろう。

ぼくの心臓は早鐘のように鼓動していた。

愛の奥深さを垣間見た。ペニスはビクビクと脈動し、はち切れそうなほど屹立していた。

ひとしきり楽しんだところで、それでは手洗いに向かうか、と立ち上がろうとしたとき、彼女がぼくの方を見た。

ぎゅっと目を瞑っていた彼女が鷹揚と瞼を上げる。

そしてぼくの方を一瞥すると、恍惚とした表情で目尻を細めた。

ぼくは慌ててカメラから目を離した。崩れるように、その場に倒れ込む。

別荘とぼくの家のベランダでは距離がある。遠すぎることはないが、決して近くはない。目が合ったとは限らない。

けれど確実に彼女はぼくと目が合い、恍惚と微笑んだ。

心臓は文字通り早鐘を打ち、頭は何も考えられなかった。

指先が氷のように冷たかったが、手のひらに放射されたものはやけに熱いと感じた。

日はどっぷりと暮れ、空には星が見え始めていた。暑さを脱いだ夏の夜風が未だ興奮の治まらぬ陰茎を掻い撫でる。

ぼくは涎が垂れるのも構わず、夢中でペニスを扱いていた。彼女の身体のラインやあの表情を反芻し、みっともなく手筒の中で腰を振った。

ごめんなさい、ごめんなさい。と謝りながらぼくは、男の前で彼女の股縄に精子をぶっかける自分を夢想した。

 

その日ぼくは初めて屋外で射精した。

Fin.

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