俺の上で乱れ咲き誇れ薔薇よ (Page 4)
戸惑いを隠せないまま、ゆっくりと俺の肩に手をかけて、立ち上がる。そして、俺の腕に顔を埋める。大人の女性の羞恥のサイン。可愛いひと。そうっと抱擁し、細い腕が背中に辿り着くのを感じた瞬間に、こちらは強く力をかける。すっぽりと俺の身体におさまる彼女は深呼吸する。溺れまいとするかのように。
茉莉子さんの頬を両手で包む。願いをこめて長く深いキスをする。俺という獲物を遠慮なく美しい食虫植物が余すところなく食べ尽くし、腹を満たし大輪の花を咲かすように。同時に、俺自身にも歯止めが効かなくなるぞ、覚悟を決めろ、と言い聞かせる。仕事の域を超えている、だからこそ。秘めた聖域に足を踏み入れてしまったと、武者震いをする。
茉莉子さんは俺の左肩に右手をかけ、左手を、己のスカートの裾に差し込む。
「ふ…ぅ」
甘く漏れた息の真下で、白くしっとりとした膝が微かに震える。衝動に駆られ、俺は再びスカートの中に頭を突っ込む。そして、彼女の右腿に頼りなく引っかかる紐のリボン状の結び目に噛み付いた。細腰の括れを両手で支えながら、下着を解いていく。両手は、己の衝動のままに美しいひとの臀部を揉みしだく。あっけなく、濡れた茂みは俺の眼前に。
「…あッ…そこは、見ない…でッ…」
スカートの布越しに、小さな手が俺の後頭部をおさえる。
「…ふふっ、逆効果ですよ」
故意に茂みに息を吹きかける。風に揺れる茂みの隙間から濡れた口が主張している。俺は、そこへ深い口づけを落とす。
…ピチャ…ぴちゃ…ぬちょっ…。
「あぁ…ハァァン!!」
立っているのが辛いのか、彼女の手が俺の両肩に置かれる。しかし尚更、俺の口が戯れやすくなる。長く舌を出し、優しくゆっくりと繊細な脚の間を舐め上げる。
「ハァ…ふぅ…んッ…渉くん」
ここの涙は十分に舌で掬いあげた。俺はスカートから顔を出し、真っ直ぐに彼女を見上げる。高揚した頬に涙が流れている。ゆっくりと立ち上がり、抱擁する、と見せかけて、少し乱暴に彼女の頬を舌で舐め上げる。そのまま、荒い息を漏らす唇を、荒々しく俺の唇で塞ぐ。
「んッ…」
何度も唇で殺し、何度も唇で息を吹き返させたい。首筋を舌は這い、ボタンをすべて外されたままのワンピースの胸元に辿り着く。柔らかなレースに包まれた乳房。レース越しでも、舌は蕾を捕らえる。舐めてから、軽く歯を当てる。
コリ…コリ…。
「ダメ…ぁあ…いい…」
「可愛いなぁ、どっちなんですか。もっとしていいの?」
笑いを含んだ笑みで彼女を包む。彼女は幼子がイヤイヤをするように、両手で俺の手首を掴む。加虐的な衝動が走り、俺は茉莉子さんの右手首を片手で掴み返し、ソファの背もたれに置く。彼女の右手首に軽く爪を立てながら、背後に回り込み、左の乳房を揉み上げる。豊かな臀部に、俺の猛るモノが当たる。彼女はソファに両膝をつく。降参と言わんばかりに。悦びが自身の獣に血を与えるのを感じる。息を整えながら、俺はなだらかな左肩に歯をたてる。ぷるんっ、とレースに包まれた乳房が揺れる。首筋を舐めながら、ワンピースを肩から剥ぎ取る。そしてレースの薄い一枚に包まれた背中を舐め上げる。ビクン、と彼女の上半身が弓形にしなる。
「座ってもいいですか?」
堪えるいたいけな顔を覗きこみながら、やわやわと、右の乳房を弄ぶ。蕾を親指と人指し指で摘み、弾く。彼女が両膝をついていた場所に滑り込む。スーツのパンツのポケットに手を入れ、取り出したものを、ピッ、と歯で噛み切る。そして、彼女を護る物を茉莉子さんに握らせる。期待に満ちた目で、俺から目線を逸らすことなく、ソファの前に跪く彼女は俺のベルトに手をかける。
文章
文章がとても美しい
その上で歓楽的。
M さん 2020年11月15日