陽炎が揺らめく夏の日に (Page 3)
二つの思いが混ざって快感となり、私のナカは嬉しそうに浩介の熱に絡みつく。
「動いて……めちゃくちゃにして。全部全部、忘れよう?」
浩介の腕に手をかけると、浩介は少し身体をずらして私の唇にキスを落としてくれた。
遠慮がちなキスに私から舌を伸ばすと、浩介もそれに応じてくれて、だんだんと本当の恋人同士みたいな激しくて深いキスへと変わっていった。
「……もう、どうでもいいもんな」
悲しそうに笑った浩介は、少しずつ腰を動かしていく。
「はあっ、ん……あっ、あ……きもちっ、いい……」
「あー……俺も……あっ、ぐ……」
コツコツと奥を叩かれると頭がぼーっとして気持ちがよかった。
そのままもっともっと奥まで叩いてほしくて、私は浩介の腰に足を回す。
浩介も私の意思を感じ取ったのか、奥を重点的に責めてくれた。
「あっ、や……あ……あっ……」
身体を揺さぶられるのと、熱い塊が何度も私を貫いてくれる感触。
前にこれを感じたのはいつのことだったか。
生理的な涙と一緒に、遠い日のことを思って涙が流れる。
その時に、ぽた、と顔に水が落ちてくるのを感じた。
いつの間にか伏せていた目を開けると、浩介がボロボロに泣いていた。
「泣かないで」
両手を伸ばし、浩介を抱きしめる。
浩介は泣き声を抑えながら、辛そうに呻いて私の肩口に顔を寄せた。
「くそっ……クソ、クソ、くそお……!!」
「ね、一緒にイこう?私、もうイキそう……」
優しく子どもをあやすように浩介の背中を叩くと、浩介のピストンの勢いが強くなった。
そのまま最後の強い衝撃と共に、私たちは一緒に達した。
ぼんやりとした頭の中に、蝉の声が響き渡る。
そして無意識のうちに、浩介と私は痛いくらいにお互いを抱きしめ合っていた。
「浩介……」
「ん……」
「私たち……」
私はより強く浩介を抱きしめた。
「振られちゃったね」
浩介も私を強く抱きしめる。
私のナカにいる浩介の熱はだんだんと落ち着きを取り戻し、抜けていった。
それから翌日になるまで、どうしていたかあまり覚えていない。
覚えているのは、失恋した大切な幼馴染だった人の手の温もりだけ。
私たちはもう幼馴染には戻れない。
ただの男女になった私たちは、ひたすらに咽び泣いていた。
あの10年前と同じ、陽炎が揺らめく夏の日に。
Fin.
とても良かったです
シチュも描写も大好きです!!
エチエチでしたし…
この後2人がどんな関係になるのか、慰め合いをしていくのか離れるのか、いろんな想像もできます。
素敵な文章をどうもありがとうございます!
たろこ さん 2020年7月28日