私の彼女はメイドさん (Page 2)
扉を開けて中に入る。
「わあ!」
そして感嘆の声を上げた。
入り口の小さい写真で見るよりずいぶん広いし、きれいだ。
「芽衣ちゃんすごいね!」
私がそうやって笑いかけると芽衣ちゃんも、ええ、と驚いたように部屋の中を見回していた。
こういうところはお風呂がすごいらしいと聞いたことがある。
さっそく見に行くと広々としていて綺麗だけど、実際入ってみないとやっぱりわからないのだろう。
「芽衣ちゃん、お風呂入ろ、お風呂!」
「え、ええ」
芽衣ちゃんはまだ少し恥ずかしいようで、ちょっとぎこちない。
一緒に脱衣所に入って、服を脱ぐ。
風呂場に入る前に、私はちょっと待って、と一人部屋に戻って準備をする。
このためにわざわざこのホテルを選んだのだ。
私はウキウキでお待たせ、と脱衣所に戻って、一緒にお風呂に入った。
お風呂は確かに面白くてすごかったけど、私はお風呂を出た後の方が楽しみで少し上の空だった。
お風呂を出ると、私は体を拭くのもそこそこに部屋の方に戻って、サービスに使われているポストをのぞいた。
そこにはちゃんと頼んだものが入っていて、私はにこにこしながらそれを抱えて脱衣所に戻った。
芽衣ちゃんはまだ長い髪の毛を拭いている途中で、私は、ちょうどよかったと思いながら、芽衣ちゃんと声をかける。
「今日はこれ着てしよ」
言って、抱えていた袋の一つを差し出す。
私の方に目を向けた芽衣ちゃんは一瞬きょとんとした顔をして、次の瞬間顔を真っ赤にして口をパクパクさせた。
それは透明な袋に丁寧にたたまれて入れられたメイド服だった。
「瑠海ちゃ、何で……、知ってるの?」
泣きそうな顔でそう言う芽衣ちゃんに何のこと?と笑って、してみたかったの、と答える。
今の反応でどうやら噂が本当らしいと確認できたけど、本人が秘密にしたいんだったら知らないふりをしておこう。
私の答えで、芽衣ちゃんは少しだけ安心した顔をしている。
ほらやっぱり、これでよかったんだ。
「着てくれる?私も一緒に着るから」
なんだかんだ言って芽衣ちゃんは私のことが好きだから、私のお願いは聞いてくれるだろうし、私のメイド服姿も見てみたいに違いない。
私の言葉に、芽衣ちゃんは少しだけ迷って、それから恥ずかしそうに頷いた。
私は内心でガッツポーズだ。
正直芽衣ちゃんは思った通りに行動してくれすぎて、すぐ悪い人に騙されるんじゃないかと不安になる。
ただ、今はそれよりもメイド服だ。
「かわいいー!」
思った通り、芽衣ちゃんにメイド服はとてもよく似合っていた。
多分仕事で着ているものより丈が短いのだろう、落ち着かない様子でそわそわとスカートの裾の部分を引っ張ったりしていたが、その分かわいさが増しているのではないだろうか。
「そんな……私より瑠海ちゃんの方がかわいいよ」
照れながらそう言う芽衣ちゃんを思いきり抱き締める。
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