あらしの夜、彼氏の実家で間違えて弟のベッドで眠ってしまったら… (Page 3)

そして、私の顔を両手で挟み、なにも抵抗できないまま私は上を向かされる。

彼の唇が近づいて、キスしちゃわないようにかわそうとしても、グッと固定されて拒めなかった。

「んーんー、や…んん」

大智くんのキスを強く拒めない。

それどころか拒否したいのに、うっとりとしてしまっていた。

なんていうか、すごくすごくキスが…上手いのだ。

「ん…くちゅ、はぁ…んん…ぁ…だ、め」

「だめって…力抜けてるじゃん…」

頭の中の警戒警報は盛大級に鳴っている。

私は理性を総動員して、思わず絡めてしまった舌をやっとの思いで引っ込めた。

そして咄嗟に、私を抱きすくめてくる大智くんの脇腹を、こちょこちょとくすぐった。

「…ひゃっ…美月ちゃん、あっ…ごめんなさい、あっやめっ」

どうやら大智くんはくすぐられるのがものすごく弱いみたいだ。

私は面白くなり、彼のお腹や脇の下、背中や筋肉の筋をクリクリ、こちょこちょとこれでもかとくすぐって、まさに牽制交代した、ように思えた。

ベッドに倒れ込み、大智くんは私の目の前で悶える。

「ね、私にエッチなことすると、こうやって仕返しするんだからね」

なんて言いながら、私の心臓はバクバクとして興奮していた。

だって、その姿はなんとも言えず可愛いのだ。

私の場合、付き合う相手はいつも年上。

頼ったり甘えたりするのが大好きで、頼りない年下には興味がない。

なのに、今目の前で耳を真っ赤にしながら悶えてる年下男子にキュンキュンと新しい感動を覚えていた。

「はぁ、はぁ、美月ちゃん…酷いよぉ…」

息も絶え絶え、こちらを見上げている。

そんな顔、しないで。

私は一瞬抱きしめたい衝動にかられ、必死で堪えた。

「美月ちゃん、こっち来て」

一瞬の隙をついて、あっという間にマットレスの上に倒され、動きを封じられる。

私をまたぐ彼の脚の間の固い膨らみに気づいてしまう。

「大智くん？…おっきくなってる？（笑）」

からかうつもりはないのに、大智くんは拗ねたように私の手をつかみ私の頭上で固定した。

「それって、挑発してる？」

「挑発？…そんなことない、だって耳赤くして、可愛いんだも…」

不意に口を塞がれる。

まずい、と思った。

もう一度あの気持ちの良いふわふわとしたキスができることに、心のどこかで喜んでいる自分がいるのだった。