“推し”のバンドマンとライブ後にバッタリ!Barで酔いつぶれた私はホテルに連れ込まれて… (Page 7)
それから、どれくらいの時間ヨウと話しただろう。
ステージのこと。ヨウのパフォーマンスのこと。
好きな曲、好きな歌詞のこと。
目をキラキラさせて嬉しそうに話を聞くヨウは、まるで子犬みたいだった。
そして緊張を紛らわすために、お酒を何杯飲んだかももうわからない。
気づけば終電の時間などとうに過ぎ、私はBarのカウンターに突っ伏していた。
「美沙子ちゃーん、大丈夫か?ごめんな、付き合わせて…」
ヨウの心配そうな声が聴こえる。
あんた飲ませすぎなんだよ、というマスターの声も。
「んー…だいじょぶ…れす…」
「あー。こりゃ大丈夫じゃないな。一回出ようか」
ヨウの肩を借り、Barを出る。
*****
「ヨウ…くん、ごめんなさ…い」
回らない呂律で必死に謝罪する。
「いやいや謝んなくていいよ。俺の方こそごめんだって」
ヨウに連れられるがまま歩く。
ひんやりした深夜の街の風が心地よい。
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