“推し”のバンドマンとライブ後にバッタリ!Barで酔いつぶれた私はホテルに連れ込まれて…

・作

ロックバンドのボーカルを密かに応援している私。ライブ後に立ち寄ったBarで、なんと“推し”にバッタリ遭遇…!緊張も優しく解かれ、お酒を飲みすぎた私は気づけばホテルへ。無防備な女を前に、人気バンドのボーカルも性欲を抑えられるはずがなく…!?

「今日はツアーファイナル来てくれてありがとう。ラストの曲もぶっ飛ばしていくぜー!!」

ワッと熱狂に包まれるフロア。

ここは、繁華街のとある雑居ビルの地下1階。

収容人数150人ほどの小ぶりのライブハウス。

その最後列で、私はロックバンドのライブを観ている。

「お前らまだまだいけんだろー!!」

ステージの中央で声を張り上げるのは、ボーカルのYOU(ヨウ)。

私にとっていわゆる“推し”だ。

揺れるフロア。

観客達が皆、手を高らかに挙げてジャンプしている。

その人波には揉まれることなく、私は箱の片隅で推しを見つめながら手拍子をしている。

ライブは好きだけど、どうも人混みは苦手で、前列に行くといつも人酔いして眩暈がしてしまう。

「そんなのでライブ行って楽しいの?」

と友人に言われたこともあるけれど、私は推しのーーヨウの懸命に歌う姿が見られればそれで満足なのだ。

「ヨウー!!」

最後列から、届いているかわからないか細い声で呼ぶ。

シルバーに染めた髪が、汗でヨウの額に貼り付いている。

頭を振ると飛び散る汗が、ステージのライトに照らされてキラキラと輝いていた。

最後の曲、ヨウのシャウトが響き、呼応するように掻き鳴らされるギター。

「来てくれてありがと、またな」

観客の声援と拍手に見守られながら、ヨウ達バンドメンバーはステージを後にした。

*****

「今回のツアーも楽しかったなぁ…」

ここはライブハウスを出て、駅の方向とは逆へ10分ほど歩いたところにあるBar。

私はひとりお酒を飲みながら、ライブの余韻に浸っていた。

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