好きになってしまいそうなセフレの年下くんにもう会わないと決めたんだけど… (Page 3)
ふと目を覚ますと部屋は真っ暗で、カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる。
ぼんやりした頭で自分が抱きしめられていることに気づいた。
「…ん、愛奈起きた?…」
後ろから私を抱きしめていたリクが目を覚ました。
「ちょ、リク?…せまいよ(笑)はなれて」
「やだ、愛奈が寝てるのが悪い…」
リクはさらに私を抱きすくめた。
「もう…」
リクの懐かしいにおいが鼻腔をくすぐる。
「リク、聞いて?」
「ん?」
「セフレは…解消、しよ」
「…んー、なんで?」
今、気持ちを打ち明けようと思った。
暗闇の中ならどんな表情か見られなくて済む。
できるだけ明るく別れたい。嫌われたくない。
「リクのこと好きになっちゃいそうだから、セフレは続けられない。ね?面倒な女になりたくないの。だから今のうちに解消しよ!」
しばらく沈黙が続いた、リクは何も言わない。
なのに腕をほどいてくれないのはなんでなんだろう。
「…嫌っていったら?」
「え?嫌?」
「ね、愛奈…こっち向いて?」
くるりとリクのほうを向かされて、思わず私はうつむいた。
すかさずリクの手が私の顎を持ち上げて、無防備に開いた唇にはむはむとキスをする。
「ん…リク、やめて…ん…んん」
「はぁ…んちゅ…愛奈は、会えなくても平気だった?」
応えられない。だってずっとリクのことばっかり考えていた。
「ん…これ以上…好きになりたくない…んん、私に恋愛は…必要ないの」
「へぇ…じゃあ、俺の気持ちは?」
「ん?リク、他にもセフレいるって言ってたから、一人くらいいなくなっても大丈夫かなって」
彼の目を覗き込んだ。
月明かりのせいか、きらきら光っているように見える。
「もうセフレはいない、もうずっと愛奈だけだよ…んちゅ、ちゅ…ねぇ、離れてかないで…愛奈…」
キスをしながら切なげに声をあげる。
またキュンキュンと私の胸は反応するのに、何も言ってあげられない。
「…愛奈と会うようになって、セフレは全員解消したんだ」
「うそ…」
「ホントいうと、愛奈に付き合ってって言いに来た…なのに恋愛は必要ないって、何?どういうこと…ったく」
すねているのか怒っているのか駄々をこねるように言って、リクは私の上に馬乗りになった。
「ちょっと、リク…落ち着いて…急すぎてわかんない」
「…好きって、愛奈に何度も言ってたの気づいた?」
「うん…リクはエッチの時、相手に好きって言うタイプかなと思って…」
「はぁ?言わないよ…」
大きくため息をつき、視線を落としたまま言った。
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