高校時代の友達に呼び覚まされた欲

・作

5年ぶりに再会した高校時代の友達は、消防士になっていた。日に焼けたたくましい体とお酒が入ったことで饒舌になっていた彼。飲み会の後に2人きりになり、自分でも気づかずに眠っていた欲が呼び覚まされ、快楽へと突き進む。

傑(すぐる)に会うのは5年ぶりだった。高校を卒業した私は地元を離れ、大学へ進学した。
傑が消防士として地元に残ったことは知っていたが、その後は連絡を取り合うこともなくあっという間に5年が過ぎていた。

*****

芽衣(めい)がその連絡を受けたのはちょうど会社から家に戻ってすぐのことだった。

「今年のお盆は来るんでしょ?」

電話の相手は薫(かおる)。
薫は高校時代の友達で、忘れた頃にたまにこうやって電話をかけてくるのだった。

「またみんなで集まるの?」

「うん。誠に真由美、尚也、そうそう、今年は傑も参加だって!」

「へー、そうなんだ」

「へーって、芽衣!みんなに会いたくないの?」

半ば、怒ったように言う薫の勢いに負けて、

「わかった、わかった今年は行くよ」

と、答えていた。

高校時代のことを思い出す時に顔が浮かぶのがこの5人だった。
田舎町の高校ということもあり、男女問わず、とにかくみんな仲が良かった。

なかでもこの5人と過ごす時間は楽しく、そこに恋愛関係がないことも楽だった。
ただ大学に入ってからは勉強と実習が忙しく、就職するとさらに忙しい毎日に追われた。

みんなとは疎遠になっていたので、寂しくも思っていた。

そんな中、これまで一度も参加したことがなかった集まりに出席することにした決め手は、傑が来るという薫の言葉だった。
そんなことを言うと、私と傑の間に何かあったような言い方に聞こえるかもしれないが、それはない。
しいて言うと、5年経った傑を見てみたいという好奇心だ。

*****

集合場所はいつもの傑の実家。
傑の両親は旅行が好きでしょっちゅう留守にしていたが、ちょうどこの日も不在だった。

高校時代、放課後にゲームやおしゃべりをして過ごした思い出の場所だ。
仕事の電話が入ったせいで、一番最後に私が着いた頃にはすでにみんなお酒が入っていた。

「久しぶり!」

「久しぶり~」

「ほんと、久しぶりだね」

お互い軽い挨拶をしただけで、5年ぶりとは思えないほどすぐにあの頃の6人に戻れた。
それがうれしくて、楽しくてどんどんお酒が進んだ。
大学時代の話、仕事の話、他の同級生の話、ネタは尽きなかった。

*****

楽しい時間はあっという間に過ぎ、24時を過ぎると翌日の予定もありそれぞれが帰っていったが、翌日仕事がない私は残った。
楽しさの余韻に浸りたい気持ちと後片付けのためだったが、傑ともう少し話してみたい気持ちもあった。

傑は高校時代と変わらず落ち着いた話し方をするが、お酒が入るといつもより饒舌になり、話していると楽しかった。
そして消防士という仕事柄、真っ黒に焼けた肌と筋肉もまた目を惹いた。

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