好きな相手は私のストーカー。反応がいちいち可愛くて…誘惑してもいいですか? (Page 3)

「喉乾いてたの?」

「…ヒック」

「へ?」

たったの1缶で彼の頬は赤く染まっている。

「俺…酒弱いんです。でも…ヒック…亜美さんが、あんまり近いので…限界すぎて飲まずにはいられない…っす」

か、か、可愛い…

耳も頬も赤くなって限界を迎えている彼がどうにも愛おしくて、不覚にもニヤついてしまう。

そしていつの間にか私の手は、彼の髪を撫でていた。

酔っている今なら、正直に気持ちを打ち明けてくれるかもしれない。

「私の名前…なんで知ってるの?」

「…す…すみません」

「ずるいな…私にも教えて?あなたの名前は?」

「山下です…山下純平…ヒクっ」

「純平…可愛い」

「亜美さんが…可愛いです!」

二人の顔が自然に近づき、唇が重なり合う。

純平は唇に勢いよく吸い付いてくる。

私から舌を差し込むと、レロレロと純平の舌も絡みついてきた。

「ふ…んん…ぁ…純平…ん」

クチュクチュと誰もいないベンチで淫らなキスは続いた。

「はぁ…ちゅ、ちゅ、ん…亜美さん…ん、ぁ…んん」

愛おしそうに顔を両手で包まれ、私の体は段々と熱くなりつつあった。

ぎゅっと抱き合うと、彼が耳元で囁いた。

「俺…亜美さんのこと、す…好きです」

「ほんと?…嬉しい」

「え?嬉しい?って…」

ドクンドクンと彼の鼓動が聞こえて、共鳴するように私の鼓動も大きくなった。

「純平のこと…好き、気づかなかったの?」

私は自分の持っている精一杯の可愛いをのっけて彼を見つめてみた。

驚いた表情の彼は呆気にとられた表情でポカンと私を眺め、彼の片方の鼻からツーっと赤い液体が伝う。

「あ…血」

私は驚いてハンカチを差し出した。

「大丈夫?」

お酒も飲んている上に、興奮させてしまったのだろうと申し訳ない気持ちがじんわりと湧いてくる。

ふと休めるところはないかとあたりを見渡し、駅の方に派手な看板のホテルを発見した。

私は純平の腕を取り、歩き出した。

「ホテル…いこ。大丈夫、休むだけだから」

純平は黙ってついてきた。

我ながら自分の行動に驚きつつ、期待している自分に後ろめたい気持ちになる。

男の子をホテルに連れ込むって、さすがの純平も引いちゃう…でも、純平が具合よくなったら帰ればいいんだし。

なんとか自分を正当化することに成功した私は、部屋を適当に選び、入室した。

「とりあえず、横になってて。氷で冷やそう」

冷蔵庫には氷はなかった。

フロントに行ったら持ってきてくれるの?

でも、ここ…ラブホテルだよね?

仕組みはよくわかっていない。

入室の時にもボタン選択だけで、無人だった。

私は迷って、冷えたミネラルウォーターを持ってベッドへ持っていく。

「これしかなかった…ごめんね」

「…んん、ありがとう…ふぅ」

「…本当に、弱いんだね?お酒」

「うん…でもそれだけじゃ…いや、でももう大丈夫…なんでっ」

急に彼がガバッと起き上がって、ペットボトルの水をグビグビと飲んだ。

意外に広い肩幅…喉仏が上下に動いて、口の端から水が少量あふれ、白い首筋を濡らした。

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