恥辱
――元カレに会う場合は、絶対にしてはいけないこと。 それはセックス、だって別れていてもセックスをさせるような軽い女だと思われたらいいように使われまた捨てられてしまうからだ。 こんな簡単なことを頭では理解しているのに、身体 […]
――元カレに会う場合は、絶対にしてはいけないこと。
それはセックス、だって別れていてもセックスをさせるような軽い女だと思われたらいいように使われまた捨てられてしまうからだ。
こんな簡単なことを頭では理解しているのに、身体では理解できていないのが今の私だ。
完全に頭の悪い女で、ごめんなさい。
「本当に身体の相性だけは最高にいいよな、普通にしてると喧嘩しかしないけどセックスだけなら世界一の相手だと思う」
そう、私にとっては身体の関係だけを褒めてくれる元カレが今の心のよりどころだ。
人間関係で上手くいったことなんて1回もないし、彼氏ができても付き合って3ヶ月持てばいい方で、長く人と付き合ったことはない。
親しい友人もいないし、頼れるのはこの男だけだった。
優しいけど、絶対に私を軽蔑しているっていうのだけは伝わってくる。
今の彼女は真面目で外資系に勤めているキャリアウーマンだ。
それに比べて仕事もろくにできない女は、身体で男を繋ぎとめるしかないのだ。
「ありがとう、でもそういってくれたのアンタだけだよ。セックスが上手いなんて思ったことないし、なんでだろうね」
同棲生活をしていたときは、セックスレスだったのに離れた途端、セフレとして復活しているんだから、男という生き物は釣った魚にはエサをやらないというのは本当らしい。
私もスリルのあるセックスにしか情熱を傾けられなかったのは分かっていた。
妬みが私を狂わせているけど、彼氏がいると嘘を吐かないと元カレは私と会うことを拒絶するから、今日も嘘を吐く。
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