秘密の恋人と甘い時間 (Page 2)
なっちゃんは、私の二つ年下の幼馴染だ。
私が彼女をそういう風に意識し始めたのはずいぶん前で、打ち明けるのにかなり時間がかかった。
だって、女同士だなんて。
なっちゃんにもし拒否されてしまったら、今までの関係さえ崩れてしまったら。
それがとても恐ろしくてたまらなかった。
けれどなっちゃんは、最初は少し戸惑っていたようだけど、私のことを受け入れてくれた。
その上で、彼女から私に再度告白してくれた。
嬉しくてたまらなかったのは言うまでもない。
少しはにかみながら、「私もあいちゃんのこと、好きみたい」と言ってくれた時は本当に天にも昇る心地がした。
そういうわけで、私はこの関係を誰に打ち明けることはできないし、打ち明けるつもりもない。
二人だけの秘密で十分だ。
「えへへ、あいちゃんのお部屋久しぶりでちょっとドキドキしちゃった」
「私もちょっと緊張したわ。でも会えてすごく嬉しい」
そう言うと、なっちゃんは私に抱きつきながら、私も!と言ってくれる。
本当に可愛い、私だけの天使。
そっと頬にキスを落とすと、なっちゃんはくすぐったそうに笑った。
「晩御飯は用意してるよー、一緒に食べよ!」
その言葉通り、机の上には温かい夕飯が並んでいた。
ここに来てからそんなに余裕はなかったはずなのに、準備してくれたことがとても嬉しい。
「ありがとうなっちゃん。せっかく作ってくれたんだもの、冷めないうちにいただきましょうか」
「うん!」
二人でテーブルに着いて、手を合わせる。
なっちゃんは一人暮らしを始める前は家事はからきしだったけれど、私が教えたりしている内に色々できるようになってきた。
私は世話を焼くのが好きだから少しだけ寂しい気持ちになったけれど、喜ばしいことだ。
今日作ってくれたカレーだってとっても美味しい。
私たちは食事をしながら会えなかった間にあったことをたくさんおしゃべりした。
そんなことをしていると、食事の時間はあっという間に過ぎた。
食器を下げて、一緒に寄り添ってテレビを見る。
夜も更けてきた頃、なっちゃんが先にお風呂入るね、と言って一人部屋を出ていった。
私は念のため寝室を確認する。
大丈夫、ちゃんと綺麗にしてある。
私はほっとして元の部屋に戻ってソファに座る。
テレビはつまらないニュース番組を流している。
その画面をぼんやりと眺めていると、なっちゃんのシャワーを浴びる音が耳を打つ。
しばらくして、なっちゃんがお風呂から上がってくる。
「あいちゃん……私先にベッド行ってるね」
顔が赤かったのは、たぶんお風呂上がりだったせいだけではない。
私は顔をうつむけながら,うんと返事をして、交替でお風呂に向かう。
早く触れあいたい。
思いきり抱き締めて愛してるって言いたい。
でも自分を落ち着けるために、いつもより丁寧に体を洗った。
そうしてお風呂を上がって、私は緊張しながら服を着る。
どうせすぐ脱ぐのだろうけど。
ゆっくりと脱衣所を出て、寝室に向かう。
ドアノブに手をかける。
かちゃ、と音がして扉が開く。
「あいちゃん」
いつもより控えめななっちゃんの声。
私は静かに扉を閉めて、ベッドに向かう。
なっちゃんのすぐ隣に座って、頬に手を添えて。
視線が交わって、私はその潤んだ瞳を綺麗だと思いながら。
そっと唇を合わせる。
最初は軽く触れるだけ、それから少しずつ、少しずつ深く、息を奪うように。
舌を絡めて、歯列をなぞって、口の中を掻き回す。
「ふ、ぅ……っ」
漏れる吐息が愛しい。
小さく震える体が可愛い。
手を絡めて、そっと体を押し倒して、口を離すとつうと唾液の糸が伝う。
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