片思いの相手には彼女がいてクンニ好きだった。それを知ったクンニ好きの私が彼に舐めてほしいといってみたら…
片思いの彼と数人で飲み会。ドキドキして参加したけど彼が彼女を連れてきてしまいショックを受けた私。エッチな悩みを話し出す彼女にあきれつつも内心では興味津々。クンニがしたい彼を変態だとののしって酔いつぶれた彼女。クンニ好きの私が彼に舐めてもらいたくなって…
「あれ?もしかして、涼太の彼女さんですか?」
「どうも、お邪魔します(笑)」
ヒューっと誰かが指笛を鳴らした。
私は飲んでいたビールを飲むふりをして、ジョッキ越しにこっそり彼女をチェックしていた。
栗色の巻き毛に清楚系のワンピース。
爪には派手さのないジェルネイルに小さなバッグを抱えている。
小動物系、女子から見ても確実に可愛い。
飲み会に参加していた男子も、にわかに色めき立っている。
「涼太にこんなかわいい子、ほんともったいない!」
私も周囲に負けじと涼太をからかったり、彼女さんにドリンクをすすめたりと、この胸の奥底にあるモヤモヤを誰にも悟られないように振る舞った。
というのも、涼太と私はこのサークルの中では一番仲のいいカップルであり、いつもなら冷やかされるくらいニコイチの存在で、だけど私は絶賛片思い中なのだった。
涼太に彼女がいることを知ってからも、彼女の存在を忘れてしまう瞬間は何度もあって、女を寄せ付けないためのフェイクなんじゃないかと思っていたくらいだった。
だけどいざ、こうして目の前に現れた彼女は、想像の何倍も涼太にお似合いで可愛らしくて、私はなんだか、いたたまれない気持ちになっていた。
*****
終電も近づき、遠方組や2次会に向かった人たちが次々と帰っていくと、涼太と私と彼女の3人がその居酒屋になんとなく残ってしまった。
ピーチなんとかっていう可愛いお酒をチビチビ飲みながら、彼女はほんのりと赤い顔で涼太に寄りかかり、涼太に向かってくだを巻いていた。
何話してるんだろう?
私はそっと席を移動して、涼太の隣に座った。
「彼女さん、大丈夫?(笑)」
『舞香、飲み過ぎ。もうダメだよ』
口をつけようとしているグラスを涼太が奪い、私に渡す。
グラスを追いかけるようにして、受け取った私に気づいた舞香さんがニコニコとこちらに笑いかけた。
「あ。もしかして、めい…さん?」
「うん、目が酔っぱらっちゃってる(笑)私、お水もってくるね」
私は店員さんのところへ行き、お水を持ってきて彼女に渡した。
「めいさん。めいさんが好きなセックスってどんなのかおしえてください」
ろれつの回っていない、かわいらしい声で何てこと言うんだ?
思わず周囲をうかがうが、騒がしい店内で、彼女の可愛い声は響きようがなかった。
「えっと…私いまから何聞かされんの?(笑)」
涼太と目を合わせ、苦笑いをする。
「だってね…めいさん、耳かして…」
彼女の息がかかり耳元で囁かれる。
「私、クンニが好きじゃないんです」
「…そうなんだ…へぇ」
私は好き、むしろ大好きだ。
「だから涼太には我慢してもらってるの(笑)この男はぁ変態でぇすっ」
無邪気な笑顔を見せ、彼女はパタッと寝てしまった。
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