友達のままだったら知らなかったこと (Page 2)
まさかの質問に頭がパニックになる。
答えられない私に和泉は言葉を続けた。
「本当はこの部屋もシングルで二部屋取れたのに、俺、真紀と一緒に居たくて、わざとこの部屋を取って嘘ついた…」
展開についていけず、目を伏せている和泉の顔をただ見て、話を聞くことしかできない。
「真紀との関係を崩したくなくて、ずっと気持ちを隠していたけど、眠ってて我慢できずに抱きしめちゃったみたい…。俺…真紀のことが好きなんだ」
伏せていた目を開き、真っ直ぐに私を見つめてきた。なんだ、私たち同じ気持ちだったんだ…。
「私も、和泉のこと、好き」
「…え?!まじで?本当に?!」
「本当だよ。友達にしか思われていないんだと思ってたし、和泉と一緒でこの関係が大切だったから言えなかった」
「なんだぁ…それだったら、もっと早く言えばよかったなぁ」
「でも、この関係も楽しかったよ」
「そうだけどさぁ…。よし、真紀!俺と付き合ってください。よろしくお願いします!」
「ふふ、こちらこそ、よろしくお願いします」
なんだかおかしくて、笑ってしまった。それを見て、和泉も笑っていた。ひとしきり笑い合うと、言いづらそうに和泉が話し出す。
「あのさ…付き合ってすぐだし、嫌だったら、本当に断ってくれていいんだけど…」
「何…?」
「…キスしてもいい…?」
顔を真っ赤にして目も合わせずに恥ずかしそうにしている。私の彼氏はとても可愛いみたいだ。
「いいよ」
私の言葉にパッと顔を上げ、嬉しそうな表情を見せる。でもそれは一瞬で今まで友達だったときには見せたことのない男の顔へと変わった。見つめられたまま顎に手を添えられ、唇が近づいてくる。
「…っ」
軽いキスを繰り返され、唇が触れ合っているぐらいの距離のまま
「嬉しい」
と和泉が笑って言った。今までの友達の笑顔と恋人の笑顔が混ざっていて、初めて見る表情だった。
「私もっ、んっ…」
私も自分の気持ちを伝えようと口を開くと、少し開いた唇を舐められ、そのまま口内へと舌が入ってきた。舌を絡めとられ、上顎の弱いところを舐められる。呼吸がどんどん苦しくなってくる。
「っふ、ぁ…んっ」
「ね、俺たち身体の相性もいいんじゃない…?」
こっちは息も乱れて、されたい放題だというのに、そんな軽口が言えるのか、と少し睨みつける。
「ごめんって〜…!嬉しくてさ、っ!」
お返しとばかりに、軽いキスを自分からしてやった。びっくりしている、和泉を見て、少し満足した。すると、一気に欲に濡れた目へと変わり、その瞳に見つめられたまま、肩を押され押し倒される。
「…ねぇ、最後までするよ?」
私の返事を聞く前に、和泉は先ほどより深く唇を重ねてきた。
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