いつもと違う幼馴染から愛される夜 (Page 4)

「何がわざと…?」

息はまだ荒いが少し落ち着いてきたところに、少し動揺した表情を浮かべた保が聞いてきた。

「保が私以外の人をいつか好きになるかもってずっと不安で、だから保も私と同じ気持ちになってくれたら、私のことを離さないでずっと好きでいてくれるかなと思って、わざと先輩の話をしていたの」

ぽつり、ぽつりと自分が抱えていた気持ちを伝える。先ほどとは違い自分への不甲斐なさや不安からくる涙が次から次へと言葉と同時に溢れる。

「僕だって、僕ばっかりめーちゃんのことが好きなんだと思っていたよ。離れていってしまうんじゃないかって、不安だった」

「ごめんなさい」

いまだ複雑そうな顔ではあるが、頭を撫でてくれる。涙で目の前はぼやけてしまっているが、さっきまでの冷たい空気は消えいつもの保がいた。

「めーちゃんは、そんな風に思ってたんだね」

鍵を取り出し手錠を外してくれた。手首には少し赤く跡が残ってしまっている。

「痛かったよね。ごめんね」

「ううん。私の方こそ保のことをわざと不安にさせて、傷つけた」

「他の誰かを好きになることなんて、これから先ないよ。僕にはめーちゃんだけだよ」

「保、大好き」

「僕も大好きだよ」

自由になった手で保に抱きつき、触れ合うだけのキスをする。自分も変わらなくちゃな、と反省をしつつも今まで抱えてきた不安が消え安心した。

「でも、今回ばっかりはめーちゃんが悪いよ!僕がどれぐらいめーちゃんのことを好きかわからせてあげる」

*****

「…っもう…お願い…わかった、から…あああっ!もうむり…ひっ…!」

その後、カーテンの隙間から眩しい光が差し込む時間まで愛され、どれほど保が私のことを好きかわからせられてしまった。

Fin.

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