幼馴染と再会し一週間お試しで付き合うことにOKしたけど、キスの先を望むくらい欲情が溢れて… (Page 2)

小学校の卒業式にそんなこと言ったの?なんてませたガキだったんだ私は。

でも、そう言ってしまえば10年間は告白攻撃から逃れられる、そんなふうに思って言ったんだろうと想像はつく。

「そんなこと、本気にしてたの?(笑)」

「してたよ」

「今まで?ずっと?」

「え?…嘘だったの…」

がっかりした様子で大きなため息をつき、背中に寄りかかる丈二郎の息が耳にかかってくすぐったい。

「昔の話でしょ(笑)」

「もう泣き虫の子供じゃない。俺、男だよ。」

後ろから囁くように言う彼から、男の色気をムンムンに感じていたが、かろうじて冷静を装った。

「…彼女くらい、何人もいたでしょ?」

「それは、なんていうか…愛里に告白できるまでの練習?」

「は?最低」

「そうだよ、俺、愛里以外には最低なの」

イタズラっぽく笑う丈二郎の顔をチラ見する。

さっき玄関を開けた誠実な姿とはかけ離れた小悪魔的な笑みだった。

ドクンと心臓が跳ねたのが伝わってしまいそうで焦る。

「ちょっと、離れて」

「やだ。何年待ったと思ってるの?」

さらにつよく抱きしめられる。

「それ、待ったって言わないでしょ(笑)」

「…俺と付き合ってよ」

「ちょっと急すぎて、よくわからない」

「…そっか」

シュンとして腕を解いたと思うと、大人しく席についた彼がなんだか可哀想になる。

小学生のころの約束だなんて、本気じゃないよね?と内心信じがたく思いつつ、言い寄られて悪い気はしなかった。

昔ふたりで見ていたアニメや漫画の話題になると丈二郎の表情も幾らか明るくなり盛り上がった。

「あっそうだ、借りっぱなしで返してない漫画持ってくるね」

*****

「確かこの辺に…」

クローゼットの奥を探していると、丈二郎がいつの間にか本棚の前にいて、並んでいる本を眺めていた。

「なんか、漫画少なくなってるね…へぇ」

「あった!これだ」

私が返却用の漫画を見つけ出すころには、丈二郎は本を手に取ってパラパラと読み始めていた。

「はい、これ」

差し出すと、丈二郎はなんだか熱くこちらを見つめてくる。

「さっきの話、まだ終わってないじゃん」

「ん?なんの話?」

「俺と付き合ってってば」

「だからそれは…保留ってゆうか」

「保留は10年までです」

「え(笑)」

「じゃあ、提案があるんだけど聞いてくれる?」

「はい、なんでしょう?(笑)」

「一週間お試しで付き合ってみない?俺がどれだけ愛里のこと好きか証明してみせる」

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