大嫌いなイケメンのカフェ店長に強引に迫られて溺れた夜 (Page 3)
「ところで、玲生くんの店ってなんでそんなに人使い荒いの?」
「家族経営だからな。俺、すげー荒れてた頃があって、オーナーの爺ちゃんと伯父さんにはかなり世話になったんだ。だからその恩返し」
意外に義理堅いやつ。でも、昔荒れてたって、もしかしたら隠れオラオラ系か?
どっちにしろ苦手、と思いながらも玲生くんのペースに乗せられて、ワインを2本開け、はっと気がつくと終電を逃していた。
「私、そろそろ帰らないと…」
「じゃあタクシー呼ぶね」
帰る方向が同じだったので、ふたりでタクシーに乗り、20分ほどで玲生くんのマンションに到着した。
「寄ってく?」
「明日も早いから無理」
「そっか。今日のところはこれで…」
玲生くんは私の手を取り、手の甲にキスをした。
「そういうのやめて!」
「そんなに俺のこと嫌い?」
「うん。大嫌いって言ったよね」
「柚葉に嫌いって言われると、ゾクゾクするな。無理矢理襲いたくなる」
え?玲生くんって、こんなにヤバい奴だったのか?
ていうか、柚葉って呼ぶのやめてくれ。
「おっと、ストーカー発見」
マンションのエントランスの前に、ツインテールの女の子が立っている。
げっ。一週間ほど前に辞めた元コンカフェ嬢のモヨちゃんだ。
「近くて申し訳ないけど、これで」
玲生くんは運転手に料金を払うと、
「柚葉も降りて」
と言い、身体をドア側に回した私の膝裏を掬い、お姫様抱っこした。
「何すんの…んんっ…」
キスで口を塞がれ、舌をねじ込まれ、身体の奥がびくりと震える。
「も、やめてよ」
「ちょっとは彼女らしくしろよ。ストーカー除けの意味ないだろ」
厄除け地蔵みたいな言い方はやめてくれ。
「柚葉さんひどい!玲生さんとつき合ってたのに黙ってたなんて最低!」
「ち…ちがっ…」
「モヨちゃん、そういうことだから。ここに来るのはやめてくれ」
玲生くんは、私を抱きかかえたまま、エントランスの自動ドアをカードキーで開け、エレベーターに乗り込む。
「今日は泊まってくだろ?」
「え…着替えとかないし、帰りたいんだけど」
「ほんっと、頭悪いな柚葉」
「どういうことよ」
さっきから何度も頭悪いって言われて本気でムカつく!
「服なら店にあるだろ」
「商品を着るわけにいかないでしょ。頭悪いのはどっちよ!」
「俺が買ってやるよ」
玲生くんはそう言うと、拗ねたように横を向いた。
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